外来種、今まで日本になかった種が入ってくると在来の種が侵されることで、たびたび問題になってきました。私の子供の頃には、せいたかあわだち草が最大の悪者でした。最近では猿やブラックバスなどが排除の対象となっていますし、アカシアまでもが切り倒され、養蜂業者が密を取れないと対策にのりだすニュースもありました。
日本の中にいると、在来種は善玉で外来種は悪玉との考えが潜在的にあることは否めません。でも先日の新聞紙面によると、アメリカで干潟を浸食する巻き貝が異常繁殖をしているとのこと。ホソウミニナという私には初耳の貝ですが、科学調査でその出身地が宮城県だと判明したといいます。
自国が大事だと思う気持ちは誰しもにあります。「外来で在来を侵すものは悪だ」と大声で叫ぶのは当然のことですが、自分たちからも相手に対し種を撒いていることに意識を持つことも必要です。
日本と中国、経済的にはお互いの利が重なり合って穏やかな装いですが、内面では今かなり険悪なムードです。お互い相手に対し意識を持ち、たんぽぽのようにとりわけ外来、在来と区別しなくとも良い時代は来るのでしょうか。