頭脳スポーツ

 新聞で、今インドネシアで行われているアジア大会で頭脳スポーツとしてコントラクトブリッジが行われていることを知りました。今までスポーツの大会でこういったカードゲームが取り上げられていることも知りませんでした。
 ブリッジをおやりにならない方は、カードの配りには運・不運がつきまとうから勝った負けたといっても公平ではないだろうとおっしゃるかも知れません。でもブリッジは良くできています。1テーブル4人でプレイするのですが、2人づつがペアとなりペア戦で何回か(今回は10回とのことですが)他国のペアとプレイして総得点を争います。1プレイが終了するとそのカードはシャフルされず、同じハンドのまま次のテーブルでプレイされます。1チームは4人構成で、2人ー2人に別れたペアはそれぞれのハンドのN-S側とE-W側に別れます。そうすることで同じチームの一方は良いハンドで勝利しても他方は悪いハンドで負けてしまいます。良いハンドで如何に多くの点数を稼ぎ、悪いハンドで如何に被害を最小にするかで総合点を争い勝敗が決まる訳です。
 私もブリッジは会社勤めの折に教えていただき、昼休みのひととき興じたものですが、会社を辞めこの田舎に戻ってからは周りにやる方もなく、オンラインゲームで暇つぶしする程度です。覚え立ての当初は、「ブリッジは紳士淑女のゲーム。向き合ったペア同士が目配せや身振りでハンドを教えたり等もってのほか。恥ずかしいことこの上ない。」と教えられたものです。
 メダルを争うとなるとそうもいかないようで、テーブルには目隠し用のプラスチックボードが置かれています。その写真を見るとプレイヤーを疑っているようでやや興ざめです。でもコントラクトブリッジはカードゲームの中で最高のゲームだと思います。これを見てこの田舎でもプレイ仲間ができればと望みます。

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ぶりっじばんざい

 四人集まらなければできない麻雀には、「三人打ち」なる遊び方があります。コントラクトブリッジでは四人集まらないと話になりませんが、以前二人でするブリッジを教えていただきましたので、それを紹介します。
 通称「ヌーラー」と呼んでいます(正式名は知りません)。ビッドの順位は低いほうから、クラブ、ダイヤモンド、ハート、スペード、ノートランプの順ですが、この上にヌーラーというのが入ります(通称名はここから来ています)。1ヌーラーは相手に「1ノートランプを達成させる」というビッドで、点数はノートランプと同じです。
 ハンドの配り方が特殊で、よくシャフルとカットした一組のカードをテーブルに置き、ディーラーが一番上のカードを手に取ります。そのカードが気に入ればそのままハンドに維持し、次の一枚を見ないまま裏向きで横に捨てます。最初の一枚が気に入らなければ、見えないように裏向きで横に捨て、次の一枚を無条件でハンドに入れます。同様に交互にこれを13回づつ繰り返して、13枚のハンドとなります。
 ビッドとプレイ方法は通常と同じです。ディーラーからビッドし、最高位のビッドを勝ち取った人がディクレアラーとなり、プレイします。
 一度お試しください。

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ぶりっじばんざい

 ブリッジの先生のお休みが続いていますので、私も含めブリッジファンの皆様には、やきもきされているかもしれませんが、もうしばらくお待ちください。
 私事ですが、最近「ミニブリッジ」なるものの存在を知りました。(社)日本コントラクトブリッジ連盟がブリッジ講師のために出している「ミニブリッジをとりいれたコントラクトブリッジ入門1 ティーチングプログラム(※1)」は、こんな風に教えるんだと、既に学んでいる人にも興味ある教材です。よろしければご一読ください。

(※1) http://www.jcbl.or.jp/members/pdf/kyoshi_manu01.pdf

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ぶりっじばんざい

 ブリッジの先生が都合でお休みですので、このところ原稿がいただけず、「ぶりっじばんざい」は、お休みさせていただいています。
 この機会に、私がブリッジを始めて最初に「ビッドってどうすればいいの」でつまずきましたので(実は今もコンベンションがいくつもあって悩んでしまうところです)、習い始めにいただいた日本コントラクトブリッジ連盟が出していたスタンダード・システム(※1)を、古い資料を取り出して紹介します(PDFにしましたが、もう黄ばんだ原稿ですので、見づらい点はお許しください)。自分のハンドの点数に応じ、どうオープニングビッドやレスポンス、リビッドをすれば良いか、よくまとまっていると思います。
 ビッドのシステムは時と共に進化していますが、基本的な考え方は今も昔も変わりません。ラバーブリッジの場合には、まずメジャーでのゲームを目指し、それが駄目なら次はノートランプでのゲーム、最後がマイナースートでのゲームです。パートナーと二人合わせてゲームポイントがなく、ゲームは無理なときには、なるべくビッドは低く抑えます。
 紹介したシステムと現在とで大きく変わっている点が、一つあります。5メジャーと呼ばれ、メジャースーとのスペードやハートでは5枚以上でオープニングビッドをします。4枚でオープンしてもパートナーが4枚以上持っていてフィットする確率が低いからです。パートナーはそのスートを3枚持っていれば、サポートができます。
 それでは4-4-3-2などの別れでオープニングするときはどうする? との疑問がわきますが、便宜的に1クラブでオープンし、後でスペードやハートを示します。ショートクラブと呼ばれています。
 ビッドはパートナーとの相性もあり複雑ですが、まずはスタンダードから始め、あなたもぜひブリッジの面白さを味わう仲間入りをしてください。

(※1) http://www3.kcn.ne.jp/~koopy/blog/bridge-bid.pdf

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ぶりっじばんざい

 答え(6月18日分)
 

   
7 5 4 3 2
9 6 4 2
A Q 4 3
J 9 7 6 N T 8 5 4 3 2
K J T
W E  
9 6
Q J 7 3
J 9 7 6 S 8 5 2
  A K Q  
A Q 8
A K T 8 5
K 10
 

 あなたがダイヤのKを続いて取りにいったなら、すごい良い勘です。ですが、勘が外れた場合、ダウンは必至ですが、このハンドではフィネスが失敗したとしても、コントラクトをメイクする手がありますので、そちらが正解といえます。
 スペードKでダミーからはハートを捨て、次のスペードQをダミーでラフをしてダミーに入ります。ダイヤ4をリードして10でフィネスをします。成功すればダミーのクラブでハートのルーザーを一つ捨てることができますので、問題ありません。このハンドのようにWにとられた場合、実はWはエンドプレイにかかっているのです。Wのハートリードは願ったりかなったりですし、スペードをリードするとダミーでラフをし、手からはハートが捨てられます。クラブリードはSの10が生きて、ダイヤ9がエントリーとなりダミーのA、Qでハート二枚を捨てることができます。ダミーのクラブをフィネスのエントリーとして使わない意味がここでお解かりいただけたでしょう。

ぶりっじばんざい

 問題です。

 
7 5 4 3 2
9 6 4 2
A Q 4 3
N
W   E
S
A K Q
A Q 8
A K T 8 5
K T

 コントラクトはSの6ダイヤモンドです。Wはスペード6をリード、ダミーからはハート、SはこれをAで取り、ダイヤAを出すとWからQが落ち、Eからは3でした。WのQがシングルトンならば、フィネスですが、Q、Jのダブルトンで意地悪くQを出したならば、続いてKを取ればよく、ハートにルーザーが見えているので、悩むところです。あなたがSならば、さてどうしますか?

ぶりっじばんざい

 答え(6月4日分)。
 

  K Q J 5 4  
9 8
K J 9 4
7 3
A T 2 N 9 8 7 6 2
A 5
W E  
T 3
T 7 5 8 6 2
A K Q T 4 S 9 5 2
   
K Q J 7 6 4 3
A Q 3
J 8 6
 

 ダミーの切り札を狩るのは、よい着眼です。クラブKを取った後、ハートAを取るのではなく、ハート5で相手に取らせます。その後のハンドを考えて見てください。Sがその後どうプレイしようが、1ダウンは免れません。やってみてください。

ぶりっじばんざい

 問題です
 

  K Q J 5 4  
9 8
K J 9 4
7 3
A T 2 N 9 8 7 6 2
A 5
W E  
T 3
T 7 5 8 6 2
A K Q T 4 S 9 5 2
   
K Q J 7 6 4 3
A Q 3
J 8 6
 

 コントラクトはSの4ハートです。WはクラブKをオープニングリード、クラブで二枚、スペードで一枚、ハートで一枚でダウン間違い無しと、クラブAを次に取り、スペードAを取りに出たところ、SはボイドであえなくSの4ハートメイクを許してしまいました。
 同じハンドをプレイした他の組は、Wが同じくクラブKをオープニングリード、Sのスペードボイドの危険性を見越してスペードAは止めて、ダミーの切り札を狩ろうとハートAを取り、続いてハート5をリードしました。おかげでSの三枚目のクラブもルーザーになったのですが、強いダイヤでディスカードされてしまい、やはり4ハートはメイクされてしまいました。
 さて、Wとしてダウンさせる手はあるのでしょうか。お考えください。

ぶりっじばんざい

答え(5月21日分。) 

  A 7  
J T 7 3
T 7 2
K Q 7 5
Q T 9 3 2 N J 5 4
9 4
W E  
Q 8 6
J 6 A K Q 9 8
T 6 4 2 S 9 3
  K 8 6  
A K 5 2
5 4 3
A J 8
 

 ディフェンス側の切り札に、Q 9 8 6 があるのが目の付け所です。
 ラフ&スラフは承知の上で、4枚目のダイヤをEからリードします。Sの手でAまたはKでラフされた場合はそのまま、それ以外ではWは9でラフをします。するとどうでしょう。その後Sが切り札をどうプレイしようが、それに応じてEが対応すれば、切り札でもう一枚取ることができ、コントラクトは1ダウンです。

ぶりっじばんざい

 問題です。 

  A 7  
J T 7 3
T 7 2
K Q 7 5
Q T 9 3 2 N J 5 4
9 4
W E  
Q 8 6
J 6 A K Q 9 8
T 6 4 2 S 9 3
  K 8 6  
A K 5 2
5 4 3
A J 8
 

 ディフェンダーの立場でお考えください。
 コントラクトはSの4ハートです。オープニングリードにダイヤを選んだとして、3トリックは取れますが、次のダイヤはラフ&スラフされますし、切り札の分れは3-2で、EのQはフィネスにかかり、クラブは強く、スペードの3枚目はラフ、とコントラクトは楽にメイクされてしまいそうです。
 ですが、あきらめるのは早すぎます。一つだけ手があります。お考えください。