雑誌で見た池谷裕二(※1)氏の性格判断に使われる血液型にふれられているエッセイの一部に興味を覚えました。日本での分布がおよそA型:40%、O型:30%、B型:20%、AB型:10%ですが、この比が安定な平衡点からかなり偏っていると言われます。ABO式血液型の遺伝子は、A:AAとAO、B:BBとBO、AB:AB、O:OOですからこのうち二人が結ばれる組み合わせは8通り、産まれてくる子供35通りの内訳は、A:12、B:9、AB:9、O:5です。1000人の村を作り、村人がランダムに相手を選んで結婚し二人の子供が産まれるとすると、2万年ほどでO型はほぼ滅んでしまうシュミレーションができるのだそうです。たしかにホモサピエンスが登場して3万年ですから、先の血液型分布はO型が多すぎますし、AB型が少なすぎます。
私はメンデルの法則が人の血液型にまで単に確率的に適用できるのか疑問なのですが(例えば遺伝因子により精子の活動が違うのではとか)、氏が言われる「血液型同士には相性があって、私たちの祖先が決して婚姻相手を無作為にえらんできたわけでない」の方が、ロマンがあって良い気がします。
(※1) http://www.gaya.jp/ikegaya.htm