私の嫌いなものの一つが歯科医院です。生来歯が弱いこともあって、歯医者通いは子供の頃から。注射を怖がる子供がいるように、あの歯を削るドリルがギーンと回転音を上げると、私の場合この歳になっても体が硬直します。
 歯医者さんもピンキリ、今から思えば就職直後の歯医者がひどかった。勤務先が故郷から離れていたため、近所の評判など分からず、一度飛び込むとそこで治療を続ける以外ありません。
 今病院では、インフォームドコンセントが常です。病の大小にかかわらず、病人にとって良くも悪くも治療手順と結果予測を伝えていただくのは、自分の置かれている状況が把握できるとともに、自分なりの決断ができ、心の整理もつきます。直接生死に結びつかないにせよ、歯の治療にもこれが必要な気がします。虫歯でも、進行はどの程度なのか、どれほどの治療が必要なのか、治療後の姿はどうなるのか、いったいどの程度の期間がかかるのか、今はもうまな板の鯉状態です。
 インプラントの治療も各所で行われるようになり、歯の再生技術の研究成果も出てきていますが、自らの歯に勝るものは当分ありません。先を見越して行動することは何事にも利のあることですが、歯に関しても大いに言えることです。私の経験から、若い人には特に歯のケアーを奨めます。

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