咲かない桜

 またまた朝日新聞の記事です。日本の花とも呼ぶべき桜が咲かなくなるとのこと。ソメイヨシノの夏にできた花芽が春に開花するためには、低温に一定期間さらされる必要があり、現在の気温上昇が続けば開花しない場所がでたり、開花しても満開にならなくなるとの研究結果です。
 40年後の話とはいえ、時の経過は瞬く間です。温暖化といえば温室効果ガスのCO2がやり玉にあげられます。桜をはじめ植物は、人が排出するそのCO2をせっせと酸素にもどしてくれている功労者。桜は春には見事な花を咲かせ、人の気持ちを一気に高揚させてくれます。
 そんな数々の努力も報われそうもないと知って、言葉を発せない桜は、花を咲かせないことで物言おうとしているのかもしれません。
 人は目先の利益の虜です。温暖化への警鐘も、その中身は人類への直接危害への心配です。人は人だけで生きられるのでしょうか。「いやいやそんな柔くはないぞ」と、種は変われど環境の激変にも生き抜いてきた自然の営みだけが救いです。

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