押せば引く

 例の天洋食品の殺虫剤混入餃子、中国国内でも中毒事件を起こしていたと読売新聞によりすっぱ抜かれたとのこと。「それ、みたことか」と思われたのは、私以外にもおられたことでしょう。それも事件で回収した商品が市場に出ていたという落ちつきです。
 各報道でも疑問を呈していますが、問題なのは、この情報が日本にもたらされたのが洞爺湖サミット前ということでしょう。今回のサミットでは環境問題の討議に中国も参加するとあって、政府は思いやりでひた隠しにしたのでしょうか。
 思い出すのは、福田政権発足時記者の靖国参拝に関する質問を受けた際、「あなたは隣人の嫌がることをあえてしますか?」と質問で返した発言です。この言葉で私の中の支持率は急降下しました。その後の政策も、周りの状況に合わせ音便に事なかれ主義で繋いでいこうという様にみえてしようがありません。
 客観的に見ても中国国内での殺虫剤混入が濃厚にもかかわらず、「中国国内での混入の可能性は極めて低い」と断言する中国のしたたかさ。日本政府を「押せば引く」と見ているのはもはや中国だけではありません。私もそう思うのですから、他の多くの日本人もそう見ているのではないでしょうか。
 今回の事件では意識不明に陥った子もいることです。中国政府からの連絡を受けた時点で、「中国には原因究明を厳しく要求する」などのコメントで公表すべきでしょう。隣人の顔色よりまず日本国民への利益・思いやりをお願いしたいものです。

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