御中元商戦

 百貨店から早々と今年の御中元商戦の結果が発表されました。不況に陥って以来、会社では虚礼廃止が叫ばれ、贈る件数が減るとともに、かつて1万円の品をお贈りしたところへは8千円の品、5千円のところへは4千円と金額でも下がることで、年々売上げが下降の一途をたどっていましたが、今夏は下げ止まりの現象が見られたとのことです。
 「三輪素麺」という御中元商材を作っている身としては誠に喜ばしいことですが、考えてみれば本来の贈答のあり方に戻ったということでしょう。バブル期にはとにかく相手に好印象を与えようとバンバン贈り物をし、高額商品も飛ぶように出たのですが、本来贈り物とはお世話になった方への気持ちとして、自分の身の丈の範囲で、自分自身が納得する品を、相手に喜んでいただける品を選び贈ることでしょう。今まで他の気持ちで贈られてきたものは減ってきても当然の成り行きと思われます。
 只残念なのは今も売り手側の意向を反映した商品の多いことです。作っていて分かるのですが、3千円の定価が付いていても、「これはとても3千円もしないだろう」と感じる商品の多いこと。頭から何割引として販売する売り手側の意向なのですが、それがまかり通る現状が残念です。
 御中元、御歳暮は日本人の文化として、本来の贈り物の心を持って生き続けるでしょう。メーカーとしては先様に喜んでいただける商品作りをするよう、あらためて戒めねばなりません。。

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