台風12号は、和歌山県、三重県、そして我が奈良県に大きな被害と犠牲者を出しました。連日伝えられたニュースの中で出てきたのが、「深層崩壊」という言葉。私がこの言葉を始めて知ったのが、このブログで、2010年7月1日(※1)に取り上げたその日です。
その前年に起こった一集落を飲み込んだ大規模な崩落を、台湾の現地で日本人技術者が調査したことに関するニュースでした。緩斜面でありながらこれほど大規模な崩落が起こるとはと、技術者に「まるで素人のように唖然としている」と言わしめた災害です。
その調査で深層崩壊のメカニズムも判り、国交省は深層崩壊のハザードマップを作成し、関係自治体に避難誘導のシステム作りを呼びかけ始めたところとの内容でしたが、あれから1年余り、住民はもとより村人の安全を守る立場の人達の中で、どれだけの人がこの崩壊を認識していたのかを疑う今回のニュース内容です。
何事もそうですが、安全に関わることは、特に迅速性が必要です。この一年の間に避難誘導のシステムが整備されていれば、亡くならなくともよい人達もいたのではないかと、施策ののんびりぶりが腹立たしくもあります。
(※1) https://miwaokina.com/blog/wordpress/?m=20100701