想像から創造へ

 昨夜NHKで佐渡裕氏が今は亡きバーンシュタイン氏を語っているのを途中から見て、チャンネルをそのままにしていると、アイスランドの一つの島で暮らす家族がドキュメントされていました。若者は島を出てアメリカで仕事を得、結婚して順調だったものの、子供との会話がほとんどないことが良くないと、再び島に戻ります。
 その島では親が子に物語を語り、家族でなくとも何人かが集まるとそこでもそれぞれが物語を語り合うという伝統があるのだそうで、その父親も子供たちの寝室で、書物にはない話を自らの言葉で聞かせます。ある夜は、可愛がっていた羊が死に、どうして死んだのか分からないと悲しむ男の子に、その父親は自ら創造した話を聞かせて男の子を勇気づかせます。
 今夜は女の子がみんなに話す番、途中で行き詰る子に父母は質問を投げかけて話の展開を引き出します。展開が開けるともう話は止まりません。
 コメンタイターが言っていたように正に「想像から創造へ」です。これこそ教育というものではないでしょうか。解けなかった問題を解けるまで繰り返させ、いわば押し付けの答えを引き出して「よくできた」と褒めるのが教育とするならば、そこからどんな創造が生まれてくることでしょうか。

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