春闘の結果や如何に

 不況風が吹きすさぶ今、世界各国で保護貿易が見え隠れし、その一方国際会議の席では、「保護主義に走らないよう各国が協調しよう」と建前のオブラート。いかに世界がグローバル化したとはいえ、不況下では自国の国民生活を守るため、なにがしらの保護主義はやむを得なくこの傾向は止まらないだろうと、素人なりにぼんやりと思うのです。
 土曜日、たまたまチャンネルをひねると、NHKでフランスの人類学者 エマニュエル・トッド氏のインタビュー番組をやっていました。その中で氏は「保護主義は是」との論を展開しています。国際貿易競争の中で、従業員に支払う賃金はコストという意識を払拭し、やがては会社に還元される資源と考え、大いに国内を活性化すべきだ、との論です。考えてみればいつまでも貿易黒字を続けるなど、世界経済の均衡ではあり得ないことなのです。
 春闘の時節柄、保護主義は別として賃金の件はまさに労働組合の主張通りです。日本を牽引する大企業のほとんどが輸出で成り立っていることを考えると、経営者がトッド氏の意見にどれだけ柔軟に耳を傾けるのか、はたまた春闘の決着は如何になるのか、興味が持たれます。

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