社会の中の企業

 人生も残りの年数を数える歳になると、自分の人生が周りの人に何か良い影響を与えてきたか、考えるようになります。悪い影響だったり、何も感化することがなければ、人生むなしいものです。
 人生を企業の例に取るわけではありませんが、企業もまた、社会に如何に良い影響をもたらしているかが、企業としての生き様ではないでしょうか。成熟した企業ならば尚更のことです。ところが最近の企業は如何でしょう。偽装が次々と話題に上り、最近では先を見越しての早々のリストラです。しかも数の影に隠れんと、今ぞとばかりの次から次への発表です。
 「人は宝、人は礎」とはもう死語なのでしょうか。派遣社員は会社にとってただの頭数だったのでしょうか。こう言うと必ず、「このまま引きずって会社が倒産すれば、全従業員が路頭に迷う」と反論されるでしょう。「でも、なぜこの時期?」の感は拭えません。解雇通告を受けた人たちの不満鬱憤の大きさも、疑問を投げかける要因です。
 良きも悪しきも、日本の企業はアメリカナイズされてきました。しかし、「つぶれると影響が大きいぞ」とばかり、国に援助を求めて、自家用ジェット機でやってくる体質までには、なって欲しくはありません。

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