裁判員制度

 あなたの元には届きましたでしょうか。私には届いておりません。例の裁判員制度の栄えある初年度の認定通知です。
 生まれてこの方くじというものには縁がなく、今回は350人に一人とはいえ、「他人事」の大部分の内の一人となることでしょう。指名されたとき辞退を考えるか、受けるかは二分される処ですが、私の場合はこの歳での新たな仕組みですので、もしそうなれば受けてはみたい気持ちです。
 勉強不足で、そもそもこの裁判員制度を始めようとする理由が今一理解できません。今の裁判官に欠ける嫌いのある一般人の概念を裁判に取り入れることと聞くのですが、一般人が法を学ぶより裁判官が一般の概念に触れる方が余程容易いと思うのです。ただ我々一般人が犯罪の裁判に直に、しかも客観的な目で触れ、下した判決に責任をもつことは、当事者以外は今まで人ごとであった犯罪そのものへの意識が高まり、断罪の思いは犯罪の防止・減少につながる気がします。
 私はその典型ですが、人は自分本位に物事を考え、都合の良い他の人の意見に引きずられやすいものです。それが多数の意見ならば尚更のこと。あなたが指名された人ならば、ちょっと古い映画ですが、ヘンリー・フォンダ主演の『十二人の怒れる男』を事前に見ることをお奨めします。

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