ノーベル賞

 12月10日、命日に行われる授賞式に向けて、ノーベル賞の各部門の受賞者が発表されました。ノーベル賞といえば、技術や理論で先駆的な業績を上げた人や偉大な文学作品を作り上げた人に与えられるものとの思いが私にはありますが、「平和賞」だけは、政治的色合いが強い気がします。
 今回の受賞者、ゴア前副大統領にしても、いろんな講演で地球温暖化の危機を訴えたり、その趣旨の出演映画がアカデミー賞にノミネートされるなど、露出度は非情に高いですが、なにも彼が最初に言い出した事柄でもなく、地道に地球変化の現象を観察し、温暖化の影響を危惧して警鐘を鳴らしている人や団体はたくさんあります。彼の行動によって、京都議定書から産業界のために離脱した当のアメリカが、CO2削減に向け方向転換をしたわけでもありません。
 物事には必ず批判が伴います。ノーベル賞の各賞へも批判はあります。その中で「平和賞」への批判が最も多いのには私も納得です。あの佐藤栄作氏も批判されています。受賞者も「自分は平和に貢献した」と納得された上で賞を受けられているのでしょうか。社会的に何もできない者の僻みでしょうか、無抵抗主義で独立を勝ち取ったあのガンジーが賞を辞退したことと、どうしても対比してしまいます。

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