水論争

 フランスの水論争はやや呆れて愉快です。朝日新聞によると、フランスのミネラルウォーターの会社の「水道水を頻繁に飲まないように」との広告に、「事実と反する宣伝で水道水のイメージを損ねた」と国が告訴したそうです。
 言い分は、水道水には配管から溶けだした鉛や殺菌用の化学物質が混じっている、というのですが、国は、検査には万全を期しており飲料水には高品質、逆にミネラルウォーターは大量のペットボトルが捨てられ、製造や輸送のエネルギー消費で環境を破壊している、と反論し訴訟にまで至っているのです。
 素人目には、これだけのことで告訴までするか、という感じです。ミネラルウォーター会社の宣伝効果を高めるだけと思いますが、フランス人気質なのでしょうか。一方会社の方も痛いところを突かれ、それでなお立法権を握る国を相手にするとは大胆なことです。これもまたフランス人気質でしょうか。

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