耳成山

 新聞には地方版のページがあり、その地方地方で紙面が異なります。ここは当然の事ながら奈良版。去る30日の記事は奈良の景勝地、耳成山でした。
 万葉集に出てくる大和三山はご存じでしょう。香具山、畝傍山そして耳成山(「みみなしやま」と読める人はご存じのはず)、その耳成山の成り立ちについてです。
 火山活動で千数百万年前に誕生、火山活動を終えた後、風化・浸食・陥没・堆積を経て今の端麗な姿となったそうです。その根拠は、山を構成する岩石。溶岩が地上近くで固まる白っぽい火山岩の流紋岩が層を成しているのが観測できるのだそうです。
 
 以前雑誌で一説を読んだことがあります。耳成山は他の二山に比べ見事なまでの円錐形、標高も140m足らず、すぐ横には池があり、これは古人が造った山だとの説です。論説は、地図を広げて大和三山を結んでみると、その形は香具山と耳成山とを結んだ辺を底辺とするまさしく二等辺三角形で、頂点の位置にある畝傍山から底辺への直角二等分線を延長するとちょうどその先に神の山、三輪山がある。これはあきらかに意図して造られたもの、と続きます。
 
 科学的な検証には勝てませんが、雑誌に記された説の方がずっとロマンがあっていいですよね。

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