平和ぼけ

 民主主義国家でありながら、選挙ではなくクーデターで政権が入れ替わるのは正常な状態ではありませんが、タイではタクシン政権は、同族を主要ポストにつけ利益を独占する体制や、最近の株取引の不明朗さで国民の反感をかっていたものの、今まで阻害されていた地方への手厚い補助で多くの地方支持者を得ていたため、選挙での転覆は無理と判断した行動のようです。国王もこれを認めているため、実に静かなクーデターでした。
 一時はすわクーデターとあわてて自国に引き上げた人々でしたが、わずか一週間前の出来事に日本人観光客は早くもお出かけのようです。話題を求めて、テレビ局はそんな女子大生グループにインタビューをしています。「タイではどんなところを観たいですか?」 答えて曰く「戦車を見たいです。」 タイまで追っかけたインタビュアーは「あちらに戦車がありましたよ」 「あっち? 見たい見たい!」 
 警備の兵士に手を振ったりしていて、実に平和ぼけした日本人が映し出されています。テレビ局の思惑通りなので、そのまま受け取ってはいけないのでしょうが、そんなにはずれてはいないと感じたのは私だけでしょうか。

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