5年目の今日に思うこと

 昨夕それに今朝、テレビでは5年目の911を数多く取り上げています。憎しみがあれば、人は何の罪もない人に対してこれほどのむごいことができるのか、事件の映像は今でもまざまざとよみがえります。
 この事件で世界各国がテロへの非難を口にしました。憎しみの当事国のアメリカは強大な武力で組織の壊滅に乗り出し、アフガニスタンのタリバン政権、イラクのフセイン政権をねじ伏せました。しかしアフガニスタンではタリバンの不穏な動きが始まり、イラクではアメリカ自身も認める内乱状態、逆に世界各地でテロにおびえさせられる状況が作られつつあります。
 「目には目を、歯には歯を」 力で憎しみを押さえつけ、それが達成されたとしても、長い目で見れば憎しみの連鎖だけが増大しているに過ぎない気がします。あり得ないことですが、あの後アメリカがじっと我慢をし、テロへの非難の機運だけが広がっていたとするならば、今の世界はどうなっていたでしょうか。ふと考えます。
 私の好きな映画「大いなる西部」の大平原での格闘シーンが思い浮かびます。争いは両者の体力を使い果たしたときにやっとその無意味さを知りうるのでしょうか。

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