「2007年問題」をご存じでしょうか。少し前の「2000年問題」、これはコンピューターが西暦年を下二桁で判定していたために、2000年を1900年と間違えてしまう問題でしたが、今回はコンピューター関連以外にも係わる広範囲の問題といえます。
戦後日本の急成長を支えたのは、いわゆる団塊の世代。その人たちが2007年、定年のピークを迎えます。経済成長の道具としたのが、コンピューターであり、CPU内蔵チップを使った機器類。そしてそれらのシステム作りやプログラム開発を手がけたのが彼等なのです。トラブルが発生したとき、他人のシステムやプログラムの解読には随分苦労すると聞きます。「日進月歩の時代にまだそのような古いシステムを使っているのか」と思うのですが、2000年問題の時も、設計思想の中に世紀をまたいで使われることは入っていなかったのです。
手間と時間はかかりますが、新しいシステムに置き換えることは今の技術で可能です。置き換えができないのが熟練技術です。数年前から個々の会社内でこの技術伝承への取り組みが行われています。技術大国として留まっておれるか、結果が出るのは2007年から5年程の内でしょうか。更にこの轍を踏まえて高度・細分化されている今の技術開発をどう継承していくのか。とやもすると自分の中に権利を握っておこうとする風潮の中、来年は契機の年になりそうです。
年の始めに来年の話、技術に無縁の私は鬼と一緒に笑っておくしかありません。