「7月13日の事故についてお尋ねしたいことがありますので、12月16日 午後二時 出頭してください」 検察庁から葉書が届きました。事前に都合の良い日時の問い合わせがありましたので、警察の呼び出しよりは紳士的です。
事故も初めて、当然検察庁も初めてです。恐る恐る建物に入ると、それぞれ個室の取調室があり、1号室から11号室の表札が見えます。待合室には既に二人、おも~い雰囲気、もちろんお互い言葉を交わすことはありません。
呼ばれた10号室は広い部屋に机が三つほど、その一つの机の前のパイプ椅子に座るよう指示されます。「私は検事の○○です。あなたと△△さんとの事故に付いてお訊きします。話したくないことは話さなくて結構です」 30そこそこでしょうか、若い検事さんです。横には助手か、同じく検事さんでしょうか、ノートパソコンを前にして一人控えておられます。「どうしてこの事故が起こったと思いますか?」 「なぜ最初嘘をついたのですか?」 「私はあなたを信用していません。信号は見なかったのでしょう」 「青信号を見たのですか?」 「本当ですか?」 なんと威圧的でしょう。疑ってかかるのが仕事かもしれませんが、自分に落ち度は無いと思っている者が、その言葉言葉でどんなに嫌な気分にさせられているかを、お考えになったことはあるのでしょうか。
「幸い相手の△△さんは、あなたを告訴しないとおっしゃっていますので、この件は不起訴処分にします」 初めて敬語を聞きました。「何か聞きたいことはありますか?」 お尋ねしたいことはいろいろありましたが、これ以上かかわりたくもなく、「いえ、ありません」と早々に退出しました。
今回の人生初めての交通事故では、どう振る舞えば自分に有利になるかの一端を学んだ気がします。でも物議を醸しますので、ここでは申せません。いずれにしろ事故はお互いにとって気分の悪いものです。皆さんも重々お気をつけください。