弁護士の質

 過払い金返還請求に関する弁護士事務所のコマーシャルは、今もテレビでよく流れます。法律が改正されてからしばらく立つにもかかわらず、未だ有効なのかと驚きます。
 返還に応じなくてはならなくなって、多くのサラ金が倒産に追い込まれましたが、この仕組みには別の問題が潜んでいました。返還されたお金のほとんどが、高利で苦しんだ借り手には戻らず、なんやかんやで弁護士事務所に入ったからです。利用者のあまりの不満の声に日本弁護士連合会も独自規約を作って、手数料を制限するように働きかけてはいますが、法的拘束力はなく違反する事務所もあって、未だ美味しいお仕事ということなのでしょう。
 そんな折、テレビでもよくコマーシャルが流れる法律事務所に消費者庁の処置命令が出たというので、やっとこさ国も動いたかと思いましたが、何のことは無い景品表示法違反とのこと。よくある「定価1000円の品を今だけ半額の500円」とうたいながら、定価販売の実績のない類いで、本道とはかけ離れているのは残念です。法を熟知した弁護士のことですから、その辺はぬかりないのでしょう。
 弁護士と聞けば、世間一般には一目を置く存在ですが、被害者救済の名目での金儲けとみれば、一般人と変わりありません。いや、バッジを盾にしている分、一般人以下かもしれません。

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