いじめによると見られる自殺が各地で続いている中、過剰な報道が「連鎖」を生んでいるのではないか、との意見が出始めました。私も以前からこれは明らかに連鎖が起こっていると感じています。欧米では、特に思春期の子供には自殺連鎖の危険性が高いとの研究もあると聞きます。
子供の自殺、それもいじめが原因と思われる、これは社会にとって実にゆゆしき事態です。その地域の住民には知っていただかなければならないニュースです。しかし全国規模で即日知らしめる情報かは疑問です。校長の自殺も起こっています。「いじめ、いじめ」とまくし立てる報道が、その校長に対していじめとなっているとは考えないのでしょうか。
「報道の自由」 「国民に知らせる義務」を御旗に、事件渦中の人物に詰め寄る記者の様子を見たり、被害者の関係者への期待通りの応答を引き出そうかとするような記者の質問を聞くと、御旗とは裏腹な商売のネタ造りと思えてなりません。全国紙やテレビ番組が、ゴシップペーパーになってほしくはありません。その意味で「連鎖」の危惧が報道の関係から出てきているのは良いことだと思います。