破格値

 一時期時の言葉となった住基ネット(住民基本台帳ネットワーク)、今はいったいどうなっているんでしょうか。国民総背番号制との物議に、公の手続きがネットで簡単にできると参加を呼びかけるのに必死だったのですが、昨年の調査で国税庁の電子申告・納税システムの利用率が0.41%、法務省の不動産登記のオンライン申請の利用率が0.03%などと惨憺たるもの。それでも総務省は住基カードの普及率が低いためで、魅力あるサービスが増えていけば、住基カードも広がると強気を崩していません。
 で、今年行われた国の予算が適正に使われたかどうかを検証する予算執行調査で出てきた数字が、パスポート1冊1600万円。インターネットで申請ができるのが売りですが、住基カードのほかICカードリーダーやパソコン用ソフトが必要な上に、戸籍謄本も郵送しなければならない落とし穴。採用している12県の申請累計が133件、それを分母に一冊あたりのコストを計算したのが上の数字。管理費だけで年間8億円ですから、民間ではとうてい考えられない大盤振る舞い。
 私も一生に一年、いや一ヶ月でいいですから、予算を与えていただいてこのようなどこ吹く風の仕事をさせてもらいたいです。いやぁー、きもちいいでしょうねぇ。

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