遺跡の保存

 明日香村、飛鳥資料館で始まったキトラ古墳の白虎の公開、最初の土・日の人出は3000人、次いで4000人にのぼったそうです。近くを通った義姉の話では道路の両側には延々と駐車の列、「駐車場がありませんから車では来館しないでください」の案内でもこの始末です。
 最近は考古学ブームなのでしょうか。遺跡が散在するこの地、新たな発見の後の現地説明会ではこの田舎では思いもつかない人出です。ある日店の前をぞろぞろと多くの人が歩いているので何事かと思いきや、黒塚古墳で大量の銅鏡が出土し、その現地説明会の後ローカル線に乗りきれず、近鉄線まで3駅の距離を歩いておられた事が以前にもありました。
 しかしその人出の大部分は中高年です。時間の余裕もその要因ですが、若者の多くに何の関心も持たれていないのも大きな要因です。逆に今回のドタバタの保存対策には、「なぜそんな無駄金を」と思っている若者の方が多いのではないでしょうか。国の遺産をいかに次の世代に受け継ぐかは重要です。カビの発生など芳しくない結果ですが、そのために努力してきたことは事実です。物の保存もさることながら、受け継ぐ次の世代の関心を高めるのも必要ではないでしょうか。さすれば、先の落書き事件など起こるべくも無いと思うのです。

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