花よりそうめん

 店に若いカップルがみえて、ショーウィンドウをなにやら品物を決めかねるようにのぞき込んでいます。「贈り物ですか?」と問いかけると。「ええ、母の日のプレゼントに」。若者が母親にプレゼントをするために品物を選んでいるのかと思うと、こちらも何となくうれしくなり、「いろんな詰め合わせができますか?」の依頼にも、すぐに無理をきいてしまいます。
 素麺屋でありながら、母の日に素麺をプレゼント、など考えもしませんでしたが、これからの高齢化社会には案外といいかもしれません。「お酒を飲んだ後にラーメン」は若い頃には常道でしたが、歳を重ねてくるとにゅうめんのほうがずっとさっぱりして良い気がします。飲み屋さんに納めたりもしていますので、そう感じている方は他にもおられるのでしょう。ネットでも母の日プレゼントで注文をいただいたこともあり、これは新たな需要拡大になるかもしれません。
 母の日とくればカーネーションですが、「花よりだんご」ならぬ「花よりそうめん」なんて言葉が生まれないか、ちょっぴり期待です。

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