コンプライアンス

 フォルクスワーゲン車に乗せてもらうと、「この車、大丈夫ですか?」と冗談が出るほど、不正ソフト問題は大きな話題です。
 最初車で不正ソフトと聞いたとき、いったいどういうことかと理解できませんでしたが、排ガス検査状況を検出すると、規制値に収まるようにエンジンを操作し、一般走行では排ガス規制にこだわらす燃費を抑えるようエンジン操作をしているとのこと。
 自動車ではリコールがよくニュースになります。でもいずれもが製品の不良や設計ミス、検査ミスといった人的ミスに依るものですが、今回のものは、不正なソフトに英知を結集して売り上げ増や利益増を目論んだのですから、ミスで片づけられるものではなく、詐欺行為です。
 マイスター制度が確立したドイツでこんな事が起こるとは、ちょっと信じられません。まるでどこかの国のようです。少なくとも4年前には社内でも問題視されていたとのことですので、隠したとしていずれ発生する莫大な損失を、トップはどう判断したのでしょうか。リコール隠しやビルの免震ゴム問題など、いずれ来るかも知れない損失よりも、すぐ来る損失に人はこうも弱いものでしょうか。
 「コンプライアンス」という言葉は日本でも定着してきつつありますが、要は言葉ではなくその本質です。世の経営者の皆さん。人ごととは思わず、この期に自社内を見回しては如何でしょうか。

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