道徳

 欲がある限り人の幸福というものには上限はないとしても、家族仲良く暮らすことがその根元だと思います。それには相手への思いやりが必要です。オー・ヘンリーの「賢者の贈り物」のように、贈り物がうまくいかなかったにせよ、お互い自分への思いやりを感じることで二人は幸福感に満たされます。思いやりがあれば、自らの子供に虐待を加えたり、殺めたり、また自宅に放火して家族を死に至らしめたり、父親を鉈で殺害したりなどの事件は起こり得ないでしょう。
 そんな中、中央教育審議会が「道徳」教科の見送りを決めたそうです。押しつけるべきものではなく、親と子、先生と生徒の関係の中で自然と身につけていくもの、との意のようですが、今の世の事件を見ていると「そんな生ぬるいもので大丈夫か」との疑問が湧きます。
 道徳教科がなくなった世代が親となり、教師となる現代、子供達は何を身につけていくのでしょうか。むしろ復権して、教えられた子供達から親が学ぶべき、そんな気がします。

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