財政破綻し、そのつけを負担してもらうべく開かれている夕張市の市民説明会の様子がテレビで放映されています。声を荒げての怒りが市職員にぶつけられていますが、その背後からは職員に怒りをぶちまけてもどうしようもない、落胆とあきらめの様子が伝わってきます。市を離れる人の多いのも当然のことです。出ていってやっていけるだけの余裕のある人はまだ恵まれています。出て行くに出ていけない弱者、故郷を離れられない人、残る人には益々負担が増えます。
破綻に至った経過は皆さんご存じの通り、後押しをした道や国も今となっては他人事、銀行が破綻した時の手厚い保護とは大違いです。三位一体と称する地方分権政策の一つの見せしめの感じがします。その一方で、事ここに至るまでにはずいぶんと良い目をされた世渡り上手な企業、個人もおられることでしょう。
実はこの夕張市の破綻は他人事ではありません。我が奈良県の御所市はワースト3ですし、我が桜井市も44位に堂々ランクインをしています。両市は共通して同和問題に予算を裂き、市の財政を支えうる大企業を持ちません。桜井市はかつては吉野杉・檜の集積所、材木の街でしたが、放置された広大な貯木場はいつの間にかパチンコ店とスーパーに代わっています。今にして思えばまとまった土地を市の活性化に利用できるチャンスだったかも知れません。
あなたの市は大丈夫でしょうか。地方分権で国からの補助金はもう当てにできません。確かな目の長期ビジョンをもつ指導者が求められます。夕張市はその意味で我々に一石を投じてくれました。