昨日の朝日新聞、天声人語に記されていましたが、MIT(マサチューセッツ工科大学)の調査によると、真と偽の情報のtwitterでの拡散速度は、偽情報の方が早いそうです。
「事実は小説より奇なり」との言葉がありますが、奇はそんなにあるものではありません。だからでしょうか、人は奇の方により興味をそそられます。MITの調査結果によらずとも、SNSでは奇なる情報の方がより取り上げられる背景は十分理解できます。
今回、あおり運転によるSNS被害者が訴えたことにより、恐らく投稿者やそれを拡散させた人々は特定され罪を背負うことになるでしょう。興味本位で悪意は無かったにせよ、被害を受けた人への悪影響は多大で、今後罰則が強化されると思われます。
メールなどで詐欺に遭った人の多くは、後で考えると何か変だったと言います。詐欺ですからあたかも普通の様に振る舞います。でもその中に普通で無い奇を感じるものです。SNSでは情報を広げるため最初から奇をてらう傾向にありますが、罪負い人にならないために奇には一歩退いて眺めてみる必要があるでしょう。
良い傾向
以前このブログの「狭き門」で取り上げた消費者庁のサイトのブラウザ限定施策ですが、大阪市議会でも同問題で国に意見書を提出する案件が全会一致で可決された(※1)とのこと。拍手喝采です。
対象は私の場合と違って、「電子入札コアシステム」 とのことですが、このことから見ると、あらゆる事で国への申請に使用するブラウザは Internet Explorer11 に限定されているように推察されます。何処に限定する理由があるのでしょうか。しかも現時点でメジャーとは言えないブラウザ。よからぬ勘ぐりをしたくもなります。
地方行政が国の施策に意見する。良い傾向ではないでしょうか。
(※1) https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1903/19/news130.html
妄想が広がります
朝食時観ていたNHKニュースの一コマ、「世界のメディアザッピング」で興味をそそられたものがありました。
フランスのとある田舎の村の信号機は、ちょっと変わっています。信号機の上にスピード検知器が付いていて、50km/h以上のスピードで近づいてくると、信号が赤に変わります。
「村の中はゆっくり走ってね」との意味の様ですが、これを観て私の妄想は広がります。これは一本道での話で、交差点ではできないんじゃないの。いや交差点でもできるかも。一方から来た車を赤信号で止めて、他方からも50km/h以上で近づいてくるとこれも赤信号で止めて、しばらくお仕置き時間を取った後、最初の車を青にする。どうこれ!
どんどん車が来たらどうするよ! 大渋滞。
最初からほとんど車が通らないのが前提。交通量が多いとこんなアイデアは出てこないだろうね。
でも歩行者がいるとどうよ! 車のために赤信号になって先に進めない。のんびり村の方針だから、ひょっとして歩行者優先? 歩行者用の信号も必要だな。
急がなくともその時間のんびり待って、止められた車の運転手に話しかけてるかも知れないよ。
おっと、出勤時間に遅れる! こっちは急がないといけません。
徴兵免除
お隣韓国には日本にはない徴兵制度があります。同時にその免除制度もあり、今回それをめぐってSNSで騒動になっているとのこと。アジアカップで優勝したサッカー選手達が免除となり、アメリカで1位を獲得した人気歌手グループには適用されないというのがその発端のようで、トップに上り詰めるのには才能、努力もあるだろうが、お金も掛かることなので、貧民は無視されるのかとの批判へも発展していると聞きます。
免除制度には基準が設けられているのは当然ですが、人が判断するのですからそれなりのさじ加減もあることでしょう。
徴兵制度は無いに越したことはありません。戦争の危惧が無く平和裏に過ごせることが何よりです。でも若い内に集団の中でもまれるのは、その後の人生の糧ともなります。会社の社員採用担当者の目が体育会系の若者に向くのは、彼らが集団でもまれてきて忍耐力や、体力、努力を惜しまない気性を持ち合わせていることを実感しているからです。
ところで、お隣韓国で、徴兵が免除されたにもかかわらずそれを辞退する事例はあるのでしょうか? 「いえ、免除はお断りします。お国のために役立つならばその一員にお加えください」などと、あえて2年間のブランクを作るのはいかがでしょうか。
韓国の人の気質は知りませんが、「かっこいい」と知名度が一気に上がるでしょうか? それとも「おまえあほか」でしょうか?
日本人、まだまだやるぞ
昨日の朝日新聞の記事「世界に1ペアだけ」に、「日本人、まだまだやるぞ」の安心を貰いました。
「 辺の長さが全て整数となる直角三角形と二等辺三角形の組の中には、『周の長さ』と『面積』が共に等しい組は存在するか」という問題に、慶大院生の平川義之輔さんと松村英樹さんの二人が、辺が 135 352 366 の直角三角形と、132 366 366 の二等辺三角形のペアが唯一(もちろん相似形は除きます)存在することを証明したとのこと。
技能オリンピックや数学オリンピックなどで以前は必ずベスト3に入っていた日本人が、最近では後塵を拝するようになり、特許の出願数も各国に抜かれている状況で、今でこそノーベル賞受賞者を輩出していますが、この先不安だとの危惧の中での嬉しいニュースです。
二つの三角形のペアは素人でも試行錯誤やちょっとしたプログラムで見つけられそうですが、それがたった一つの存在であることの証明は、素人ではとてもできません。「数論幾何学」という現代数学の手法を用いているとのことですが、こうなるともうちんぷんかんぷんです。
この手のニュースが出ると必ず、「それが何の役に立つの?」と申される方がおられます。確かに私にも役立つものは見当たりません。が、「難問を解いてやる」との意気込みとそれを誰よりも早く成し遂げる力量、それこそが全てに役立つのではないでしょうか。「まだまだやる」元気も私に与えてくれています。
したたかですね
商品宅配の現在の大きな課題は、配送コストです。ヤマト運輸の過労働に端を発する宅配送料の値上げには、私共も影響を受けています。大幅な値上げで一部をお客様にご負担いただかざるを得ず、物量の低下は否めません。
巨大なamazonともなれば、配送コスト負担は相当なものでしょう。でもさすがamazon、したたかです。独自に一から宅配業者システムを作り上げようとしています。宅配会社の起業を支援(※1)を読むと、自己資金1万ドル(110万円)を準備すれば、宅配会社を立ち上げることができるとの事。起業者は支援を受けられる上、物量もamazonに頼れますし、amazonにとってはいわば「子飼いの宅配業者」ですから、今回の根幹を揺るがすような事は起こり得なくなるでしょう。
巨大企業なればこそなせる技で、羨ましい限りです。このプログラムがうまくいけば、今宅配を請け負っている業者も安穏とはしておれません。
さて今後の展開と結果はどうなるでしょうか? 私はamazonの思惑はうまくいくと予想しますが、あなたは如何でしょう。
(※1) https://japan.cnet.com/article/35121682/
シカ踏切
「近畿日本鉄道(通称 近鉄)が導入した『シカ踏切』が絶大な効果を発揮している。」(※1)を読むと、近鉄がこの地の我々の足であるためでしょうか、ちょっと「やったね」という気持ちになります。
野生の鹿との接触事故で、ダイヤの乱れのトラブルに頭を悩ませていた近鉄が、一人の鉄道マンの発想で、いままであれやこれやの鹿を線路に入れない対策から一転して、電車が走らない時間帯には「どうぞ通り抜けてください」と逆転の対策。それが功を奏し、今次々と対策箇所を増やしているとのことです。
奈良といえば鹿を連想されるかも知れませんが、これは観光地の鹿(これも車との接触問題があるのですが)ではなく、この地の鉄道ですから山裾の人気のない区間を走る箇所も多く、そこに数多く生息する野生の鹿の話です。
話題では「人と鹿との共生」の発想と持ち上げていますが、ちょっと異論を挟むとすれば、本来鹿には活動範囲があるそうで、それを分断する鉄道は鹿にとっては迷惑千万の話。柵を乗り越えてでも通り抜けたい気持ちも分かります。野生の鹿が増えたのも、人によって天敵のオオカミが減らされたためと言われています。ならば、対策を考える最初の一歩は、柵やロープや野獣の糞尿などではなく、「共生」からでしょう。
人には聞こえない超音波の利用は、群がる鳥を追い払うなどに実用されています。鹿にも効くのですね。でも慣れてしまわないかと素人懸念をしますが、そこは技術大国、慣れないよう周波数や発生リズムを変化させるそうです。でも人への影響はまだ解析されていないと聞きますから、課題は残りそうです。
(※1) http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1805/29/news056.html
○○ first
イギリスが口火を切りました。ストローに始まるプラスチック製消費財の排除です。あおりを食った関係者は、コスト高に悩まされています。
プラスチック製の廃棄物で海洋汚染が進んでいると聞きます。今までのコスト安も翻せば、環境汚染を無視しコスト減の要素として成り立っているとも言えます。素材メーカーに環境保全費用を上乗せするともなれば、安いコストとも言えなくなるでしょう。
他人事とは言ってはおられません。私共の素麺業界でもプラスチック素材は使われています。進物箱に素麺の束を並べるのに、多くのメーカーは素麺の型に合わせて成形されたプラスチック素材を使っています。すぐにゴミとして捨てられるものですから、私共はそれを避けるためあえて紙でその役割を代用しています。コストは数十倍ですし、型に折りたたむ作業も必要ですが、私共の方針です。
そう言う私共も全体を覆うのには、ビニール袋を使わざるを得ません。防腐剤など一切の添加物を使用していませんから、カビと虫の害を避けるためです。昔のように保存によっては「手延べ素麺はカビるもの。虫がつくもの。」と納得していただければ良いのですが、残念ながら今はそんな時代ではありません。
イギリスの取り組みが何処まで広がっていくのか、楽しみです。自らの利益のための「○○ first」よりもこちらの「○○ first」にはずっと重みがあります。
売り買いの中の情
少し前のニュースになりますが、トイザラスの破産申請にはちょっと驚きました。幼児用おもちゃを主とする業界で一世風靡し、大型店舗で街のおもちゃ屋さんを全て駆逐してしまうのではと思っていただけに、アメリカ内の800店舗を全部閉鎖、売却には「どうして」との思いです。
日本トイザラスは無関係とコメントしていますが、印象への悪影響は否めません。破産申請決断のきっかけは、かき入れ時のシーズンに商品が入ってこなかったとのことのようで、日本でもスーパーの経営が「ちょっと危ないな」と噂が立つと、取引をしている問屋さんが一斉に手を引いていきますが、それでも永年つきあいのあるメインの問屋さんは、規模は縮小すれどリスクを承知で取引を続けている話は時々耳にします。
おそらくアメリカでは、有無を言わせずスパッと切ってしまうのではないでしょうか。売り買いの中での情の繋がりが、日米では大分差がある感じがします。どちらが良いかどうかは分かりませんが、私としてはいくら商売とはいえ、人と人との繋がりですから、情があって欲しいですね。
Amazon Go
最近読んだ記事の中で興味を引かれたのは、Amazon Go(※1)です。
最近中国で話題の無人コンビニを目指しているようではなく、普通のスーパーやコンビニと変わらず、商品棚に商品がそのまま並んでいますし、スタッフの人数は、日本のコンビニと比較して、店舗面積に対して5倍近いとあり、店舗前でアプリの説明などをするスタッフを除いても、普通のコンビニより減ることはないとみています。ここが最も興味が引かれる点です。
では Amazon は何を目指しているのでしょう。記事では、「その力点が「ユーザー体験」にあるとしています。ユーザー体験をビッグデータ化し、更に通販に生かそうとするのでしょうか。それにしては「全米に2000店舗」目標は、やり過ぎの気がします。
今やウォルマートをしのぐ Amazon ですが、小売店舗を持っていないのを、弱点とみているのでしょうか。確かに、小売店舗を持つ経費を削減し、安価で全国的に商品を提供できるメリットを生かして伸びてきたネット販売ですが、小売りでないと顧客のニーズに応えられない商品もあります。後発ならば、通常の実店舗では勝負になりません。実店舗からネット通販まで、全てを牛耳る野望でしょうか。
今後どう市場が動いていくのか、興味があります。
(※1) https://www.businessinsider.jp/post-162108