マカオ旅行記 その5

 マカオ2日目は観光の日、といっても面積の狭いマカオ、移動にも時間を要せず、バイキング形式の朝食をゆっくり取って、コーヒーカップを片手に皆と談笑していても出発までの朝の時間は十分にあります。蛇足ですが、豪華ホテルの場合には、朝食だけを別に組むと目をむくほど高いので、必ず朝食とセットでツアーを組まれるのがよろしいです。目を転じると、ラスベガスでは朝食時も賑わっていたカジノが、ここではプレイしている人は極わずか、その広さ故に閑散としています。ついつい比較をしてしまいます。
 観光はマカオ半島側、かつては中国に向かって大砲が向けられていたモンテの砦跡、高台で街を一望でき見晴らしも良く、松山にある中国湾岸最古で今も現役のギア灯台も目にすることができます。マカオの代名詞、セントポール大聖堂のファサードは砦跡のすぐ横。当時のまま残る前階段が見事で、観光客の撮影スポットであるのも頷けます。木造であった大聖堂を風害から守るために造られたものとは初めて知りました。ここからセナド広場へと徒歩で下ります。薄いオレンジ色と白に塗られた建物はいずれも公のものとのこと。毎年塗り替えて、街の景観を引き立てています。それに白と黒の波模様に敷き詰められた道路のモザイク、現地の石ではなくポルトガルから取り寄せたというこだわりです。途中セント・ドミンゴ教会に寄ります。外観も良ければ内も綺麗な教会です。撮影が許可されていて信心のない私の撮影ぶりは批判を買ったかも知れません。セナド広場は予想よりも狭く感じましたが、タイルの地面、ちょこんとある円形の噴水、取り囲む古い洋館の建物、普段目にしない様式美には引きつけられるものがあります。ただ中央に「慶祝中華人民共和国成立58周年」の臨時モニュメントが造られているのはいささか無粋です。
 再びバスに乗りマカオの地名発祥ともなった海べりの媽閣廟に到着です。ポルトガル人が着いて、「ここはどこだ?」と聞かれたとき、てっきりお寺の事だと思い答えたのが、「マカオ」地名の始まりとか。日本人がポルトガルの菓子を初めて口にし、「これはなにか?」と訊ねたのに、てっきりお皿に書かれたお城の事だと思い、「カステラ」となった話と重なり、ポルトガルつながりで愉快です。 ガイドの黄さん、「頭の上に気をつけて!」の言葉に上を見上げると、円周上に作られ吊されて円錐状になった大きな線香がたくさん。何日も燃え続けその灰が頭に落ちてきます。黄さんに教わり、マカオ式で旅の無事を祈りここでは最後にお賽銭を入れます。
 信仰とは別に、ここはスリのメッカとのこと。黄さんはもとより露天のおじさんからも注意されるのですから、余程の事なのでしょう。観光ツアーの中に集団で混じり、観光客からはもちろんのこと、同じツアー仲間からもちょいと拝借なのだそうで、私もシャツの胸ポケットを注意されました。

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