新と古の食べ比べ

今月の期間限定お買い得品は、ここ2・3年恒例となりました三輪素麺「新と古の食べ比べ」です。
そこでちょっと仕事の話をさせていただきます。

いにしえの昔から、12月から3月の厳しい寒さと空気の乾燥した頃が、手延べそうめん製造の最適時期です。今正にその時期で今年も良い麺ができています。
毎日毎日乾燥、裁断、結束した一束一束を箱に詰め倉庫に積み上げ寝かせます。
梅雨時になり箱を開けて中を見ると、こちこちに固まっている麺に気付きます。「ええっ!どうして?」が最初の感想です。この仕事をしていると誰もが一度、いや何度となく経験していることでしょう。驚きの様子を見て熟練工は「厄してるんや」と、さぞ当たり前のごとくです。麺がこの時期の湿度と温度とが相まって堅く引き締まることを、「厄をする」との言葉で表しています。「手延べで無いとこうはならないんや」とも説明してくれます。
数日経ってもう一度見てみると普通の状態に戻っています。
冬場製造した麺をその夏に出荷すると、梅雨を一回越した麺で、これを「新(しん)」と呼び、更に熟成させ翌年の夏に出荷の麺は、梅雨を二回越し、これを「古(ひね)」と呼んでいます。
ここ関西では、細くて腰のある三輪素麺の「古」が好まれます。店に来ていただく方に「これは新ですか古ですか?」と訊かれたりします。
貴方もお店で尋ねてみてください。「おっ、三輪素麺のこと知ってるな」と一目置かれることでしょう。

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