昨年の暮れ、自宅の郵便受けを修理しました。既に二代目で、外の受け口は当初のままですが、内側の受けはホームセンターでプラスチックの引き出し式の収納箱を買ってきて、奥を切り欠き取り付けた物でした。
経年変化で中の引き出し部分が割れてしまいましたが、このような品はデザイン変更が頻繁で、同じ物が見つかりません。そこで例によって素麺の木箱を加工して作ることにしました。
我ながら出来は上々、外から郵便物で押されても容易く引き出しが転げ落ちないよう、ぴったりのできばえです。ところがです。雨上がりの朝、郵便物を取ろうと引っ張っれど、引き出しはびくとも開きません。それでも無理に引っ張りそのあげく無残にも接着部分が壊れてしまいました。 雨で木が膨らんだのです。
この時私の頭には、宮大工の棟梁の言葉が思い浮かびました。
大修理を終えた伽藍を見て、「屋根の勾配が修理前とは少し違うように感じますが・・」と問われた棟梁は、「年ごとに重みでたわみます。30年も経てば、元の勾配に落ち着きます。」
たかが郵便受けで、今朝の話はちょっと大袈裟でしたでしょうか。