我が家ではタブレットや書籍端末で誰もがデジタル本を読むようになりました。販売会社も顧客獲得に必死で、4割引き5割引きのクーポンは頻繁に出ますし、事ある毎にセールも行われていて、ついつられて未読の本があるにも関わらず、別の本を買い込んでしまいます。
なにしろ持ち運びに便利です。待ち時間も以前ほど気にならなくなりましたし、他人に灯りを気にすること無く眠れない夜も過ごすことができます。部屋の隅に読み終わった本が積み上がることもありません。
いろいろ便利なデジタル本ですが、誰もに適しているとは言えません。本とはどういうものであるかを実感してきた人向きです。本の重さを体感し、指でページを繰って次のストーリー展開への期待を体験してきた人向きです。
幼児期は、棚に並んだ与えられた本の中から本を選び、ページを開く楽しみを覚え、描かれた絵を友達とし、覚えた文字を見つけては声に出す。その後の青春期、思春期。期に応じ本というもへの思い出を残してきた人向きです。
単なる便利道具のデジタル本だとは思いますが、使い出すともう手放せません。道具は道具として便利に使うに限ります。