点滴

 久しぶりに点滴を受けました。始まってから、時間つぶしの準備を何もしてこなかったことを後悔したのですがもう後の祭り、1時間ちょっとの間、考え事をしたり点滴液がポタリポタリ落ちるのをただ見つめているだけ。そうしているとあることに気づきました。
 ご存知の通り、点滴は樹脂製の袋に入った点滴液が吊るされ、途中に液だまりを持つ細いチュウブと注射針とを経て血管に注入されるわけですが、その仕組みは今まで単純に重力によって流れ込むものだと思っていました。ところが一向に袋の中に空気が入っていく様子はなく、袋は液の減りに従ってぺしゃんこになっていきます。子供の頃実験でやったように、空気が入っていかない限り、これでは容器から液は落ちてきません。不思議だなぁと思っていると点滴液が残り少なくなってやっと下から気泡が上がり始めます。袋とチューブを繋ぐところについている小さな器具が、調節弁の役割を果たしているのでしょう。
 でもどうして最初のうち、空気も入らず点滴液が落ちてくるのだろう。何もすることの無い時間、私の考えた結論は、私の体内の血流が点滴液を引っ張り入れているのだろう、です。さて、本当のところはどうなんでしょうか。
 でもあれこれ考えていたおかげで、長い時間を短く感じることができました。

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