隠れ銀杏

 鎌倉は幕府が置かれていただけあって、他とは随分雰囲気の違う街です。私も東京にいた頃何度か訪れました。田舎から知人や家族が出てきたときには、知ったかぶりで案内したこともあります。
 鎌倉といえば鶴岡八幡宮、その樹齢1000年ともされる大銀杏が風で根こそぎ倒れたとのニュースには、「あんな大木が・・」と驚きました。名物が消えたかと残念に思っていましたが、根本から3・4m程で胴切りにして植え直し、再生の可能性が大と知り、岐阜の淡墨桜(うすずみざくら)と並び称される銘木になればと、期待をしています。
 DNAからクローン銀杏を作る案もあるそうですが、他と明らかに違う特徴で見分けのつく銀杏ならともかく、「これがあの銀杏なの」と半信半疑で見るのに比べ、あの太い幹から新たな芽がふけば感慨もひとしおでしょう。
 「実朝死すとも銀杏は死せず」となってほしいものです。

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