縦割りの被害者は?

 週間ダイヤモンドの記事、全国3万2000の8割が廃業? クリーニング業界大騒動(※1)はお読みになられましたでしょうか? 無料の会員登録が必要ですので、それが嫌な方のために記事を抜粋すると、

     

  • ドライクリーニングでは溶剤を使用するが、価格、取り扱いの面からそのほとんどが石油系溶剤を使用している。
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  • 石油系溶剤を使用するには作業場所は都市計画法が定める工業系地域に限定され、その管轄は国土交通省である。溶剤使用までチェックがされず建築許可が下りている。
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  • 一方ドライクリーニング業は厚生労働省管轄で、開業許可を与えるには溶剤の使用は把握しているが、建築基準には関与しない。
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  • 行政が永く容認してきた経緯はあるが、ここにきて大手2社が行政指導を受けた。

 
 かくして掲題の記事の次第です。
 記事にも、国交省をお目こぼしするとしても厚労省は申請地が住宅地ならばおかしいと気付いていたはずと指摘しています。
 縦割り行政のしわ寄せが市民に及ぶ構図です。行政指導に乗り出した以上もう後には引けないでしょうが、縦割り行政のひずみを棚に上げて、町のクリーニング屋さんをどんどん廃業に追い込み、利用者にも不便を強いる行政など、本当に行政と言えるのでしょうか。

(※1) http://diamond.jp/series/closeup/10_02_27_001/

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技術大国たれ

 少し前のニュースになりますが、韓国がアラブ首長国連邦の原子力発電所建設の受注を、日本を含む他国との競合の中で勝ち得たのは、会社勤めの頃少しこの業界に関係していた私には日本が負けるのかと驚きでした。というか、韓国が既に20基の原発を稼働させている国とも知りませんでした。
 資源のない、国土の狭い日本が世界を相手に戦えるのはその技術力以外にないことは、誰もが認めることでしょう。最初は後追いでも技術力を高め、それを武器に経済大国となりましたが、私を含め多くの人に、今も日本は技術大国、経済大国との自負が根底にあるのではないでしょうか。ところが今やSONYよりもSUMSUNGの方が知名度が高く、スパコンは大きく水を空けられ、トップに立ったトヨタにもほころびが広がっています。
 「既に技術大国ではない」と認識し、もう一度たがを締め直してトップを取るのだとの思いを強めなければなりません。オリンピックの応援ではありませんが、「頑張れNIPPON」です。

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好奇心、持ち続けたいです

 ホームページを閲覧するブラウザには何をお使いでしょうか? 先日、英国政府に向けて、そろそろ「Internet Explorer 6(IE6)」の使用をやめてアップグレードするべきだとする嘆願書が出たとの洒落めいたニュースがありました。昨日の「永く使いたい」とは違って、こちらの方は無償で提供され、セキュリティの問題もクリヤでき、新しい機能も使えるのに、なぜ今も20%を越えるシェアで使い続けられているのだろうと不思議です。と、横から 「何も考えてないからやろ。」
 たぶんそうなのでしょう。今まで通りホームページが見られていれば余計な手間など掛けずともいいや、なのでしょう。でも「セキュリティの問題があるよ」と知ったらどうでしょう(※IE6をやめて欲しいという人の大部分はホームページ作りに余計な手間がかかるのを嫌ってでしょうが)。
 何事にも人が一歩前に進むには、知識と好奇心が必要だと思います。知識があれば次に一歩進みますし、新しいことへの好奇心があればそれについての知識を得てやってみようとの気にもなります。
 ただこれも年齢との兼ね合いがあるかも知れません。若い内は好奇心の範囲を限定するべきではないと思いますが、高齢化ともなると、切り捨てねばならない好奇心もあるでしょう。私の場合は切り捨て過ぎかも知れませんが・・・・。

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殻は破れるでしょうか

 Googleの中国市場からの撤退示唆表明は今後どんな結論に落ち着くことでしょう。
 2006年中国に進出したときには検索結果の検閲を受け入れ、拡大する中国市場を見越して識者の非難に耐えてきましたが、Googleの発表に依ればフィッシング詐欺による中国活動家のGmailへのアクセスで堪忍袋の緒が切れたのでしょうか、中国政府の出方次第では撤退もあり得ると、検閲で今まで表示していなかった検索結果も表示するようになりました。
 中国で同じ表示が見られるかどうか分かりませんが、今もgoogle cnで天安門事件(※1)の検索ができますし、そこから中国国民には知らされていなかった戦車の前に立ち抗議する映像(※2)も見ることができます(残念ながら私にはダライラマ(?赖喇嘛)の映像は確認できませんでした。)
 さすがGoogleともなれば政府も動かし、米国務長官はGoogleの肩を持つ発言をし、中国政府も中国国内の法律に従ってもらう必要があると反論しています。
 殻を破るには誰かが行動を起こさねばなりません。今回の騒動が中国国民にとっても良いと思える情報の公開やサイバースペースでの安心につながれば良いのですが、さて好転するかどうか今後の進展が見物です。

(※1) http://www.google.com/search?hl=zh-CN&source=hp&q=%E5%A4%A9%E5%AE%89%E9%96%80%E4%BA%8B%E4%BB%B6&btnG=Google+%E6%90%9C%E7%B4%A2&lr=&aq=f&oq=
(※2) http://www.youtube.com/watch?v=r7ou2-Kv4UA

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フェリー業界にエール

 先週金曜日に起きた三重県熊野沖でのフェリー横転事故、「あんな大きな船でも横転するのか」と私には驚きでした。波を受けて積み荷が右舷に寄ってしまったことが原因のようですが、「そうか」では済ませられない要因もあります。
 フェリーは利用者減での人員削減、それでいてできるだけ多くの積み荷を獲得し短時間での積み込み、固定具の整備管理や安全性の確認もおざなりになりがちです。
 経営難に更に追い討ちをかけるのが、現政権が掲げる高速道路料金の無料化。フェリー業界では「無料化反対」を訴えますが、対峙側に利益を得て賛成する人が多くいれば、その要求に簡単に政権が配慮するとは思えません。それよりも新たな需要を掘り起こす対策を訴えるべきでしょう。政策がフェリー業界に悪影響を与えることは政権も承知ですから、今がチャンスです。
 例えば、他の方がもうおっしゃっているかも知れませんが、東京都や大阪府がやりたがっている「カジノ」はいかがでしょう。「航海中(寄港時はいけません)のカジノを認めろ」と訴えるのです。箱物は既にあるのですから、改装費もさほどかかりません。海の上ですから、周囲の風紀が乱れるなどの反対意見も出ません。旅をしながらラスベガスやマカオ気分、お客さんも増えるでしょう。
 ピンチがチャンス。海のない県にすむ私は船旅には特別な感情を覚えます。どうか智恵をおしぼりください。

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新聞の生き残り

 いよいよ新聞の存続が危ぶまれる事態です。日本経済新聞社が1月~6月期連結決算で、8億5000万円の赤字に転落した、というのです。
 新聞の収益の多くは広告、その広告がテレビやインターネットに奪われ危機が叫ばれて久しいですが、ここにきてアメリカ発の経済危機にもろに影響を受け、広告収入が激減したのでしょう。
 日経のような専門紙に限らず、一般の全国紙もそのご多分に漏れないようです。私共の同業者で新聞に広告を載せている企業がありますが、シーズンが過ぎた後も広告が載っているので、「すごいですね」と伺うと、「広告枠が空くので勝手にサービスで載せてくれているんです。」 枠を空けるくらいならサービス(おそらくかなりのダンピングなのでしょう)で、広告主を繋ぎ止めておく方が有利なのでしょう。
 かといって全国紙となれば、来る広告は拒まずどんな広告も受け入れる訳にはいきません。紙としての審査もしなければ、悪くすれば犯罪に手を貸しかねません。
 ニュースはインターネットの方が早く、若者の新聞離れ、広告媒体の流れは今のままでは止まらないでしょう。新聞の生き残りは、一にも二にも取材力だと思います。どこそこから流される情報を各紙が右へ倣えではネット情報と変わりはなく、新聞としての良さは失われていくばかりです。

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WORDを使ってて大丈夫ですか

 Wordと言えばMicrosoft officeのExcelと双璧をなす主要ソフト。そのWordに、約3億ドルの賠償金と米国内での販売差し止め判決が下されたニュースにはちょっと驚きです。
 私は一太郎派ですので、Wordのことは全く知りませんし、「カスタムXMLタギング技術の特許侵害」と説明されても何のことか全く分かりません。が、Microsoftにとって大問題であることは想像できます。それ故、Microsoftはあらゆる手段を講じて、判決を覆そうとするだろうことは識者ならずとも大方の予想で、現に上訴に向けて動いています。
 訴えを起こしたカナダの「i4i」がどの程度の規模の会社であるか知りませんが、私には巨像に噛みつくアリを想像させます。Wordに無関心のせいで不謹慎ですが、ここにくるまで紆余曲折があったであろうことを想像すると、痛快感さえ少し覚えます。

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パソコンの買い換え

 あなたは何年でパソコンを買い換えておられますか? 「新しいOSが出るたび」の方もおられるでしょうし、私のように「壊れたら」の人もおられるでしょう。ネットブックは良く売れていると聞きますが、メインのパソコンとなると、そうそう頻繁に買い換えるほど安価ではありません。
 これは企業での話ですが、eWEEK(※1)の記事によると、「企業は3年以内に買い換えるべき」との調査結果が出ているそうです。購入後3年以上のPCの平均修理コストは、3年未満のものの1.65倍に上り、この不景気で、多くの企業が、買い換えコストの削減のために、ノートPCの使用寿命を推奨期間の3年間から5年間に延長していますが、その2年での追加費用が標準的な買い換えコストに相応するとしています。
 何台ものノートPCを使用する大企業をグローバルに見れば、そうなのかなとの気もしますが、私共のような小さな企業では、何とか長く持たそうと賢明です。そのために初期コストを少し追加してRAIDにし、保証期間を伸ばしたりしています。本来このような大量消費を促すような調査ではなく、メーカーにもっと長くつかえるPC作りをせよとの提言のための調査であってほしいものです。

(※1) http://www.eweek.com/

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joostが消える

「joost(※1)が消費者向けウェブ動画サービスから撤退」のニュースは残念です。Skypeの創設者らしくPtoP技術を使った動画サイトは珍しく、当初は登録(紹介が必要でした)をして専用ソフトをダウンロードしての視聴でしたが、その後一般のWEB上で見られるようになり、処理速度も速く映像も綺麗でしたので、英語力に乏しい私などはバスターキートンやチャップリンの無声映画を楽しんでいたものです。
 YouTubeやHuluの急上昇が撤退の主な理由で、同種のHuluは最新のテレビ番組を流しますので、視聴者を奪われるのも無理はありませんが、Huluのように日本では視聴できないサイトに比べ分け隔てのない良きサイトが消えていくのは残念です。
 良い商品が必ず売れるとは限らず、良い店が必ずしも繁昌するとは限らないのが世の常ですが、いつまでも残して置きたいと思うだけで何もできないのは、はがゆい限りです。

(※1) http://www.joost.com/

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横領事件

 実名ニュースで申し訳ないことですが、先日三洋電機のベトナム子会社に出向していた社員が約8億円の横領をし、行方をくらませているニュースがありました。
 他人事ですので、「ああ、そうか」で済む話ですが、私はこのニュースに以前の事件を思い起こします。実は以前、私の住むこの地で、小学校の同級生が三洋電機の営業所長の時に、商品を持ち出し私的に売りさばいて会社に損害を与える事件があり、あげくは立派な自宅を手放しこの地からいなくなってしまいました。
 彼の場合も長い期間羽振りの良い生活をしていましたし、今回の事件も8億円という金額から長期間に及ぶ横領なのでしょう。こうなると、単に「たまたま悪い社員を採用した」では済まされず、会社における安全管理システムに問題があると思わざるを得ません。
 大金を扱うといえば銀行ですが、その銀行でも時々横領のニュースが聞かれ、一行に止まらず、他行でも同様の事件が発生したりします。他社の不祥事ニュースは自らへの戒め。小さいながらも商店を預かる身、私も気を付けねばなりません。

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