宇宙開発

 陸域観測技術衛星「だいち」の打ち上げ成功には、まだ安心してみていられる心境にはなく、内心ほっとした感があります。
 国益上、他国に引けを取ってはならない技術開発があります。宇宙開発はその一つだと思います。NASAに部品を供給する技術はあっても、自国の衛星の打ち上げを他国に依頼しているようでは話になりません。相次ぐ打ち上げ失敗で、宇宙科学研究所、航空宇宙技術研究所、宇宙開発事業団に批判が集まり、現代の宇宙航空研究開発機構一つに集約、リストラされ、関係者はずいぶんと悔しい思いをされたことでしょう。前回のH2A 7号機と今回の8号機は背水の陣でした。打ち上げの遅れから、来月に一つ、4月以降に又一つの衛星が予定されています。背水の陣どころか今後は100%の成功が必須です。悔しい思いを糧に今の緊張感を持続しつつ、これからは安心して見ていられるよう、国家予算を使っていただきたいものです。

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頭にきました

 朝日新聞によると、アメリカからの輸入牛肉に脊柱が入っていたことに関連して、ペン農務次官が「車でスーパーに買い物に行って事故に遭う確率の方が高い。その事実を日本の消費者に伝えたい。」と発言したそうです。この言葉の前後の様子はわかりませんが、この言葉を真に取れば、さすがのおとなしい私も、「なんと日本人を馬鹿にした発言だろう」と頭にきます。
 約束したはずの取り除くべき部位が検査官にすら伝わっていなかったというのですから、「大して危険でもないのに、向こうで何か騒いでる。適当に要求を聞いて、後はまた堀を埋めればいい」との本音がみてとれます。相手国の国民性への配慮がなさすぎます。イラクにおける大量破壊兵器をめぐる不始末以来、やや軟化の傾向が見られるとされるアメリカの大国主義は、いまだ健在です。
 いつまでも傘の下でうずくまってばかりではおられますまい。傘からはずれた空も見上げて、雨に濡れる覚悟も必要のようです。

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あいてぃーべんちゃー

 一連のライブドアのニュースでマスコミの「手のひら返し」ぷりたるや壮絶なものがありました。ついでにホリエモンを選挙に担ぎ上げてしまった自民党の「手のひら返し」も。「君らホリエモンが悪党だってわかってた上で持ち上げてたんでしょ」と苦笑混じりに言いたくもなりますよね。
 ITベンチャーは何か新しいことをやろうとします。実際にやるかどうかは別問題です。ポイントは「斬新なアイデアを出して、構想だけはすばらしい」ということです。
で、「実現すればすごいぞ!」という期待感がITベンチャーの株価を上げます。
実際の企業価値からは考えられないような高い株価がつきます。上がった株式時価総額が下がる前に、実体のある企業を買収して、虚像である利益を固定化するのが一般的な手法です。
名だたるベンチャーはみんなこうして大きくなっていきました。
この「期待感」をどうやって高めていく(煽っていく)のが経営手法というわけです。
まあ、ホリエモンはやりすぎて捕まってしまったわけですが。
「錬金術」なんて言われたりもしますが、「錬金術の基本は等価交換」でして、無から有を生み出すことができるわけではありません。
ホリエモンが得た利益とは、期待感に煽られてライブドアの株を買った株主の損害なのです。

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逮捕

 ライブドア、堀江社長の逮捕のニュースは、テレビの定時番組をも吹き飛ばす取り上げ方でした。強制捜査以来逮捕は時間の問題と言われていてなおこの騒ぎですから、なんとマスコミへのサービス精神旺盛の方でしょう。
 証券取引法違反、違反の内容よりも素人の私が感じるのは、「企業買収するぞ、この会社の評価はもっと高いぞ、株式分割するぞ」と言えば、こんなに株価が上がるものなのですか。トンネル会社の「投資組合」なるものが簡単に設立でき、まかり通るものなのですか。株とはこんなにも「流布」なるものに流されやすいものなのですか。などの疑問です。
 ライブドア関連株をお持ちの方は、この騒動でずいぶんと損をなさったでしょう。上場廃止ともなれば売却さえままならなくなります。でも非情ですがそんな方に同情の気持ちは湧いてきません。一連の動きであわよくば自分も利益に預かりたいとの思いが伝わってきますし、むしろ片棒を担いでいるように思われるからです。
 彼を目標として起業を目指す若者はたくさんいることでしょう。IT企業の申し子が、いつしか株価をつり上げることでM&Aを繰り返し、本業よりもむしろ株価で会社の資産価値を高めようとして犯した彼の轍を踏まないよう、彼等には心がけていただきたいと思います。

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受信料

 一連の不祥事以来、受信料の不払いに苦慮しているNHKです。「新生プラン」なるものを掲げて理解を求めようとしていますが、支払わなくて済ませている状況から、支払ってもいいという気持ちにさせるのは並大抵ではありません。民営化、罰則、スクランプルなど案は出ていますが、公共放送の精神から、いずれもが否定されているのは良い方向だと思います。組織のスリム化と良い番組作り、これが第一だと思います。
 そんなNHKならではの番組で好きなものの一つが、日曜夜7時、「トップランナー」です。俳優、歌手、書家、果てはフィギュアー制作者、ジャンルは様々です。既にトップランナーである人はまれで、むしろ目下売り出し中の若者を招いてのトーク番組。昨日はギターデュオのデパペペでした。アメリカの番組に似せた部分があるのは少し気がかりですが、若者のその仕事にかける情熱が伝わってくるのは良いものです。「お金」の臭いが一切しないのも好感です。
 最近はバラエティで出演者が冗談めかしに「受信料を払ってあげてください」などと言ってみたり、「NHKは受信料で成り立っています」とアナウンサーに言わしめたりと見苦しい限りです。受信者にうったえかける番組作り、それに邁進してください。私はNHKファンの一人です。

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ぶりっじばんざい

ディフェンスの問題です。

  J 9 8      ビッドは、S-1NT、W-Pass、N-3NT、All Pass で、コントラクトはSの3ノートランプです。Wのあなたはクラブの3をリード。パートナーはK、Sは7。パートナーはクラブの6を返してきます。SはQ、あなたはこれを取らず、ダックします。Sは次にダイヤのA、Kを取ってきます。Aのときパートナーは4。さてあなたはKのとき何を捨てますか?
A K J
T 6 5 2
J T 8
K T 2 N    
6 4 3 2
W E  
   
Q    
A 9 5 3 2 S    
   
   
   
   

作法

 恥ずかしながらこの歳になって初めて、神社にお参りしたときの手水舎での作法を知りました。ネット上の情報は年齢に関係なく、手軽に間違いを改めさせてくれます。
 神様の前に立つにあたって、手や口を清める程度の認識しか持っていませんでしたので、柄杓で水を手にかけ、直接口に含んでおりました。なんと「厳禁」を平気でやっていたのです。清める順序なども決まっていて、ご存じだった方も「暮らしの歳時記」(※1)で再確認なさってはいかがでしょう。
 もうすぐ例年通り、今年の三輪素麺の価格を神様にお伺いを立てる「ト定の儀」が執り行われます。今年は誤りのないよう清めたいと思います。しかし拝殿に昇る手前の小さな手水舎、多くの出席者が全ての作法を行っていたのでは時間がかかりすぎるようにも思われます。こういうときのために簡易版の作法もあるのでしょうか。

(※1) http://allabout.co.jp/family/seasonalevent/closeup/CU20051227A/

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かぜっぴき

 ひどく風邪をひいて、しばらく寝込んでいました。
熱は微熱が続く程度でしたが、鼻、のどが壊滅的で、頭がくらくら。
ようやく立ちあがってみれば、立ちくらみを起こしてその場にへたり込む有様で。
ぼへぼへっとした状態で寝床で過ごしておりますと、世情からすっかり取り残されてしまいます。
そうしたときに限ってビッグニュースがあったりするのですから不思議なものです。
 すっかり流れに乗り遅れた状態で「ライブドアショック」を知りました。
詳しい経緯を今更書いても仕方がないので全て省きますが、「脱法行為」を巧みに使いこなし、
ルールの塀の上で踊っていたホリエモンがついに足を滑らせたのかと。
 昨日の夕方のテレビでコメンテーターが「ざまあみろ」と言っていたのが妙に印象的でした。

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おかいさん

 昨年暮れに続き、年をまたいで先週は風邪で唸っておりました。少し食べられるようになると、食事は粥からのスタートです。粥は場所によっていろんな呼び名があると思いますが、ここ奈良では「おかいさん」です。15日、小正月には一年の邪気を払うとされる「あずきがゆ」も口にしました。
 粥といえば、ほうじ茶を炊き出してそこに洗い米を入れてつくる「茶粥」が奈良の名物です。観光地奈良では食事メニューでよくご覧いただくと思います。昔はごく普通の庶民食だったのですが、県民の胃ガン死亡率の高さのやり玉にあげられ、私の子供の頃もあまり食べる習慣はありませんでした。
 奈良の茶粥は、東大寺二月堂修二会で連行僧が食すことから、庶民の食卓に広まったというのが通説です。本来何もないいたって質素なものですが、今はトッピングに工夫して楽しむのが普通です。二月堂修二会といえば通称「お水取り」。まだ先のことですが、ここ奈良では「お水取り」が済むと春が来るといいます。こう寒いと、少し前倒しでお願いしたい気分です。
 
 実に話にとりとめがありません。まだ思考回路の復元が、思うようにいっていないようです。

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震度?

 今朝は数多くのブログで、ライブドアの文字が踊っていることでしょう。昨晩から今朝にかけての、東京地検特捜部の証券取引法違反容疑での立ち入り捜査は、阪神大震災11年目の日に合わせたかのように、あたかも急成長企業に潜む断層が露呈したかのようです。
 わざわざ夜間令状まで取って行った捜索にしては、事前にマスコミに漏れ、その件の電話インタビューが立ち入り前にニュースに流れるなど、情報隠蔽への対策はお粗末な感はありますが、地検が動くことは容疑事実はほぼ確実なのでしょう。更に背後に何かあるのでは、との観測もうかがわれます。
 ニュース解説によると、証券取引法の「偽計」、「風説の流布」は5年以下の懲役又は500万円以下の罰金、とのこと。600万円で始めたホームページ製作会社を、僅か10年で7000億円資産の会社に作り上げた堀江氏は、多くの若者たちから羨望と共に強い指示を得ています。容疑の詳細はこれからの捜査を待つわけですが、「この程度のものは大したことじゃないじゃないか」との風潮が彼等の中に芽生えてしまわないか、いささか気がかりではあります。

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