イギリスが口火を切りました。ストローに始まるプラスチック製消費財の排除です。あおりを食った関係者は、コスト高に悩まされています。
プラスチック製の廃棄物で海洋汚染が進んでいると聞きます。今までのコスト安も翻せば、環境汚染を無視しコスト減の要素として成り立っているとも言えます。素材メーカーに環境保全費用を上乗せするともなれば、安いコストとも言えなくなるでしょう。
他人事とは言ってはおられません。私共の素麺業界でもプラスチック素材は使われています。進物箱に素麺の束を並べるのに、多くのメーカーは素麺の型に合わせて成形されたプラスチック素材を使っています。すぐにゴミとして捨てられるものですから、私共はそれを避けるためあえて紙でその役割を代用しています。コストは数十倍ですし、型に折りたたむ作業も必要ですが、私共の方針です。
そう言う私共も全体を覆うのには、ビニール袋を使わざるを得ません。防腐剤など一切の添加物を使用していませんから、カビと虫の害を避けるためです。昔のように保存によっては「手延べ素麺はカビるもの。虫がつくもの。」と納得していただければ良いのですが、残念ながら今はそんな時代ではありません。
イギリスの取り組みが何処まで広がっていくのか、楽しみです。自らの利益のための「○○ first」よりもこちらの「○○ first」にはずっと重みがあります。