一昨日昨日の二夜、NHKの痴呆症番組は、私にとって目から鱗でした。なぜなら痴呆症は周りで世話をする人は大変ですが、本人は案外楽かも、との思いだったからです。
ところが軽度の時、記憶力がどんどんなくなることにいらだちを感じるのは分かるのですが、重度になってもなお本人の中では葛藤があり、周りから忘れていることを指摘されることが、大きなプレッシャーとなっているのです。周りから軽い気持ちで「また忘れて」と言われることを叱られていると感じ、叱られるのが嫌だから顔を合わせないように外に出る。これが徘徊の要因のようです。
治療方法は見つかっていませんが、本人が興味を持つものを自由にやらせたり、それを通じて他人との交わりを増やすことで、病状の進行速度を遅くしたり、病状そのものを改善したりすることができるようです。
介護時間が十分に取れない家族だけでの看護は難しいですが、まずは家族が本人の忘れを指摘したり、咎めたりしないことでしょう。家族皆忘れることがあるのだよと、みんな一緒の気持ちを伝えることでしょう。