死刑執行

 長勢法務大臣が執行命令書に署名して4人の死刑を執行した昨日のニュース、これについてもまた賛否が分かれています。死刑廃止論と賛成論、私はどちらかというと、死刑やむなしの派です。確かに冤罪があって、他の死刑囚もそうではないかとの疑問を覚えますが、それは手続きの問題であって、即死刑廃止の論理には結びつきません。もう一つ大事な「死刑の名をかりて人が人を殺す」については、自分がもしその立場であれば一歩引くことに間違いはありませんが、被害者の立場に立てば、罪もないのに殺されては浮かばれないでしょうし、残された家族にとっては「死刑判決」を勝ち取ることが殺された人への手向けであり心の安らぎでしょう。
 現在の法では、死刑廃止を訴える人が死刑執行に意義を唱えても意味がなく、法を変える運動をする以外ありません。逆に現法の下では、法務大臣が署名を拒否する事の方が問題です。誰かの言うように、心情に基づいて署名を拒否するならば最初から法務大臣の職を受けるべきでなく、法に近い立場を生かして死刑廃止に動くべきです。
 
 ニュースの解説では、執行されていない死刑確定囚が100人近くに上り、法務省幹部の強い要望から今回の執行があったとのこと。もしそれが事実とすれば、死刑に賛成の私でもそんな大まかさが執行命令につながるのかと、もやもや感は残ります。

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