最近の裁判の判決は、以前は横並びの感を受けたのに対し、随分と変わってきたように感じます。
昨日の「藤井元総裁の提訴は筋違い」とはねつけた裁判記事はお読みになりましたでしょうか。三年前ですからもうお忘れかも知れません。道路公団民営化論議の最中、当時の藤井総裁は「債務超過ではない」と明言していたのに対し、債務超過を示す財務諸表が現れ、「知らない」「正式でない」など歯切れが悪く、国会でもその都度答弁が変わり、民営化推進委員会の席でもつっこまれて途中退席するなどで、当時の石原国土交通大臣に解任を言い渡されたのです。
火を付けたのが文芸春秋。道路公団西国副支社長の「藤井総裁の嘘と専横を暴く」内部告発記事です。更に翌、翌々月も内部有志による「国会答弁がおかしい」等の記事が連載されたのです。元総裁は文芸春秋を告発しその判決が昨日のニュースなのですが、裁判長は「この記事のような真剣な議論には言論をもって反論すべき」と述べ、表現が人身攻撃だとの元総裁側の主張についても、「多少の攻撃的表現が損害賠償の対象になると言論が萎縮し、民主政治が機能しなくなる」と退けたそうです。
マスコミが民衆を洗脳しすぎると元総裁を養護する意見もありますが、テレビニュースなどで元総裁の振る舞いを見ている限りでは、非情にわかりやすい判決との思いがします。不当解任との訴えもしていますが、こちらの判決も楽しみです。