去る3月27日、「石綿による健康被害の救済に関する法律」(石綿救済法)が施行されました。石綿と肺ガンや中皮腫との因果関係がはっきりし、石綿の吹きつけが禁止された1975年から随分たっての施行です。
これに先立ち昨年、石綿が使用されている事業所で働く人の健康障害を予防するため、除去や封じ込めあるいは囲い込みを義務づける石綿傷害予防規則が施行されています。順序が逆だとは思うのですが、当店にもこの1月、労働局労働基準部安全衛生課より「吹きつけ石綿に関する自主点検表」により返答を求められました。既に囲い込みをしていましたが、念のため建設会社を通じ吹き付け材料の製造メーカーに問い合わせ、石綿を含まないセメント粒状綿100%の物であることを確認をしました。(が、これも安全と言えるかは疑問です。)
行政は遅ればせながらも内を見ることには動きますが、外を見ることにはうといものです。粉塵として事業所外に出してはならない法律の施行は2004年までかかっていますし、周辺住民が被害を訴え立ち上がってからやっと重い腰を上げ先の石綿救済法の施行をみたのです。この日をみとどけるかのように、周辺住民の先頭に立って活動を続けておられた被害者の前田恵子さんがお亡くなりになりました。ご冥福をお祈り致します。