贈る人の気持

 「お中元」シーズンです。私どもにも資材関係などの取引業者さんからお中元が届きます。そのほとんどが包装紙を一枚かけた上に、短冊の「お中元」熨斗が貼り付けられたものです。送り主のお名前もそこにはありません。包装紙自体に「お中元」と書かれたのし紙を印刷しそれを巻きつけたものもあります。
 「そんなものよ」 「どうせ破かれて捨てられるんだし」と言ってみればそれまでですが、なんとはなくがっかりします。
 数をさばくメーカーやギフトショップにしてみれば、一時の集中に対処するため予め包装紙を付けた商品を準備しておき、短冊熨斗をその上に貼り付け発送する手順なのでしょうが、それで送り主の気持ちが伝わるのだろうかと訝しくなります。
 私どもは昔気質なのでしょうか。今もお客様からのご注文を聞いた上で熨斗紙を準備し、包装作業をしています。同じ感じを持たれる方もいらっしゃるとみえて、「短冊じゃなくちゃんとした熨斗紙が付くんやろな」と予め釘を刺す方もおられます。その地の習慣で、内熨斗のところもあれば外熨斗の所もあり、「お中元」もあれば、「暑中御見舞」の希望もあります。
 「お中元」は随分形式化してきているとはいえ、先様に送り主の気持ちを伝えたい贈り物に変わりはありません。手間暇はかかるとはいえ、私どもでは今の状態を続けて行きたいと思っています。

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