古のロマン

 大和朝廷発祥のこの地では、考古学の調査が盛んです。発掘調査の後の現地説明会では、多くの考古学ファンが詰めかけます。考古学がファンを呼ぶのは、主人公を頭の中に描き、どんな生活をしていたのかと思いを巡らせるロマンと、警察の鑑識にも似た謎解きにあるのでしょうか。
 そのあまりに大きな規模から、誰もが秦の始皇帝の副葬坑として疑わない中国の兵馬俑坑、朝日新聞(12月23日付)によると、始皇帝の5代前の宣太后のものとする建築学者が現れ、定説が覆るかと話題になっているとのこと。
 その論拠は65の疑問で、紙面ではその一部として、陵墓から1.5kmの距離は遠すぎる、当時は鉄器が使われていたのに発掘される武器は青銅器、馬車の車軸幅は統一されていたはずだが兵馬俑坑のものはバラバラ。5代前の論拠の一つは、大半の武士俑にみられる頭のまげを右側にずらせる習慣は当時のものとしている。
 この論には反論もあれば、一定の評価をするものありで、誰もが疑わなかった定説に新たな疑問が投げかけられ、ますます考古学へのファンが増えようというものです。
 我が日本には、古くから卑弥呼論争があります。畿内説、九州説などなど。畿内説の内の一つで、卑弥呼の墳墓と見なされる前方後円墳、「箸墓」の近くに住む私としては、大いなる発見があればそれはそれで楽しいのですが、いつまでも謎のままでいるほうが、ロマンがあって良いのではとの気持ちです。

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