食品メーカー

 食品メーカーは気を引き締めなければなりません。決められた規則を守らなければならないのはもちろんのこと、細部にまで注意が必要です。不二家、あの大ブランドが不祥事で、該当商品はおろか全ての商品が店の棚から消え、今別会社に飲み込まれようとしています。自業自得といえばそれまでなのですが、引っかかる点もあります。
 不二家事件の後、いくつかの会社が「調査したところ、これこれの不祥事がありました。誠に申し訳ありません。」と謝罪広告を出しました。バタバタしている今に発表しておけば、不二家程のバッシングは受けないだろうとの意図が見え隠れしています。
 世間に通知する手段として常套化しているその謝罪広告ですが、ほとんど言い値、小さな囲み枠記事を数社の新聞社に出しただけで、1千万円は雄に超えます。不祥事を糾弾する新聞各紙には一方では美味しいネタ、釈然としません。
 行政の取り組みにも場当たり感を感じます。今密かな広がりをみせているのが、中国から輸入した米の加工品、及び米粉問題です。中国政府は否定していますが、遺伝子組み換え米の混入が認められたのです。今までは有効な試薬が無くて白か黒かの判定ができず、一部の税関では中国の書類でそのまま通関していたのですが、このほど改良試薬ができ黒と判明したため、以前に輸入されたものにさかのぼって波及をしています。
 トウモロコシは遺伝子組み替えが認められて、米はなぜ認められないかは別にしても、試薬もなく現地が保障している品物までもを疑わねばならぬとは、中国から多くの食材を輸入している昨今、関係メーカーは余程気を付けてかからなければなりません。

se.gif

ゆうこうきげん

最近では買い物をすると、そのショップのポイントがついてくることがよくあります。
ポイント商法は広く定着していて、財布の中があちこちのポイントカードで一杯になるという経験は多くの方がされていることでしょう。
ポイントには有効期限があるものがよくあります。有効期限以内に買い物をすると有効期限が伸びますので普段は気になることはありません。
これが高額であったりニッチであったりする日常使用しないタイプのショップのポイントである場合は状況が異なります。有効期限は意外なほど早く感じるものです。
有効期限内にそれほど必要でないものを買うべきか、ポイントをあきらめるべきか。
ポイントが失効したときに、もったいないと感じるか、無駄遣いをせずに済んだと感じるか。
私は複数のネットショップを利用していますのでしょっちゅうこの難問に出会っています。
※なお、弊店の翁ポイントには有効期限がありません。
 安心してご利用下さい。

ri.gif

第三の男

 NHKBSのシネマで久しぶりに「第三の男」を観ました。もう何回目になるか数え切れません。タイトルバックのアントン・カラス弾くチターのサウンドホールと振動する弦、緊縛感を高める傾けた画面、1時間30分の内登場わずか9分というのに第三の男といえばオーソン・ウェルズといわれるその存在感、並木道のロング・ロング・ロング・ラストカット、何度観ても感慨は新たですが、映画の後の撮影秘話でまたまた新たな発見です。
 初めのナレーションが監督キャロル・リードの声であったり、撮影によく遅れてくるオーソン・ウェルズの性で影での逃亡シーンが生まれたとか、1949年当時の光源不足から夜間撮影では石畳に水を打って反射光を利用したとか、下水の格子蓋から出る断末魔のハリー・ライムの指は実は監督の指であったとか、そのシーンは遠くの建物にまでピントが合っているパンフォーカス、光量を確保するためにおそらく発電器を総動員したであろうとか、・・・。
 最近の、コンピューターを利用して現実では見られないシーンを観る映画も楽しいですが、カメラそのものの技術とアイデアで、プロの目でないと気のつかない細部にまでこだわる映画作りには更に奥の深さを感じます。
 名作は何年経とうと薄れることは無いですね。もちろんその背景には原作があります。私はこの映画を観て、グレアム・グリーンに興味を持ちました。

se.gif

先んずれば人を制す

 「先んずれば人を制す」とはよく言ったものです。ウォールストリートジャーナルがGoogleに買収されたYouTubeがどれほどのお金を手に入れたか懐勘定をしています。
 全額株式交換ですので、即現金というわけではありませんが、今をときめくGoogleの株を手に入れたのは、三人の創業者と投資家。今の株価で三人の懐をおおざっぱに計算すると、414億円、391億円、77億円ほど、なんと巨額、二十歳から夏・冬のジャンボ宝くじを毎年当てても一生かかります。
 YouTubeのようなネット上のサイトは大規模な生産設備が要るわけでなく、ひらめきとそれを実現する技術力がすべて、実現ができればせいぜいサーバーを積み増していく程度で済む話です。後から追随したGoogle Video他のいくつかの映像投稿サイトが及ばなかったように、いかに他人より先に将来性を見越したアイデアを思いつくかで、成功の可否が大きく左右されます。もちろんプログラム力も必要で、日進月歩のジャンルですからここにもアイデアとひらめきが求められます。最後のポイントは、世の中にまだ形もなく、将来成功する保障もないアイデアに資金を提供する投資家の存在です。
 先駆者の人まねでなく、果たして日本でこのような成功が実現するでしょうか? 石橋をたたいてなお渡らない日本の投資、コスト優先で中国等に外注するため育たないソフト技術者、サーバーを外国に置かなければならないがんじがらめの法律。ここ当分は指をくわえているとしましょう。

se.gif

企業広告

 ブログは今や社会現象。私でさえ決まって読むブログが数件ありますし、検索ワードで見るブログもあります。そんな現象を目ざとく利用し、ブロガーにお金を払って商品宣伝の記事を書かせるのが企業。私の感覚からは、商品の良さを実感しているのならばともかく、お金のためだけに知りもしない商品を持ち上げて読者を誘導するのには大いに抵抗があるのですが、マーケティング会社のビルコムの調査結果を見ていささか驚きました。
 「企業が、宣伝のためにブロガーへお金を渡す行為について」、反対する人の多くが私と同様の理由なのですが、全体として賛成が55.5%と過半数を占めています。「企業のためにすることだからお金をもらうのは当然」 「個人の副業が増える」が賛成理由の1、2位です。
 踊らされて納豆を買いに走る今の消費者ですから、「この程度の事は」と問題にもならないのでしょうが、単純にテレビ局だけを批判できない社会体質であることに変わりはありません。
 企業の広告媒体も変わりつつあります。新聞、雑誌類は後退し、ネット上は益々増加、個人からアイデアを吸い上げて、ブログや動画投稿の手段を使い、企業と広告の仲介をする会社まで現れました。私のような古い考えは捨てて、今の流れに乗りながら小遣いを稼ぐ、これが上手な生き方のようです。

se.gif

まゆにつば

6ヵ国協議で北朝鮮の核施設の「無力化」を条件に、重油最大100万トン相当の援助を受けるということで合意したようです。
共同声明が採択されたことで中国が面目を保った形です。
ただ、KEDOの例もあります。
この合意が果たされるかどうかはわかったものではありません。
第1段階の核施設の「活動停止」では5万トンのみを支援し、
進行状況に応じて段階的に支援を行うという条項は不信感のあらわれです。
案の定というべきか、今朝のニュースでは北朝鮮の朝鮮中央通信が6か国協議での共同文書採択を伝えるとともに、第1段階の措置として核施設を「臨時中止」することにより、100万トン分のエネルギー支援が得られると報じたとあります。
今後、北朝鮮が核施設停止だけで100万トン分の重油支援を要求する可能性は高く、
核施設の再開あるいは別施設を構築する可能性はさらに高いと思われます。
#1200戦を超え、コンプまであと6種。SR周瑜未だ出ず。
これってなんて物欲センサー?

ri.gif

消耗品商法

 以前プリンターの価格について取り上げました。本体価格を安くしてお客さんに買ってもらいやすくし、消耗品のインクを高くして利益の穴埋めをする商法です。プリンターだけでなく他の商品にも適用されるメーカーとしては常套の手段ですが、消費者にとっては決して優しいやり方ではありません。消費者にとって性能と価格は商品選択の重要な要素です。価格が安いからと飛びついてもランニングコストが高くついては、果たして納得できる買い物であったか疑問です。
 このほどコダックがこの逆を行くプリンターの発売を発表しました。「消耗品のインクが他社に比べ半額」が売りです。半額と言いますが、その程度が実勢価格だと思われます。価値に見合った値段設定こそ、消費者に対し公正というものです。(消費者が価値に対してその価格を認めない場合は、メーカーの努力が足りないといえます。) その意味で、このようなプリンターが出てくるのは良いことだと思います。ただ残念なのはアメリカのメーカーが日本のメーカーの先をいったことです。

se.gif

eコマース

 オンラインのeコマースは2005年度で1兆円を超え、益々発展をしています。先日の公正取引委員会の指摘にあるとおり、日本でのショッピングモールは楽天、ヤフー、DeNAの三社で9割を占めていますが、今度そこにインターネットショッピングの雄、アマゾンが進出するようです。既に本以外の商品の販売も手がけていますが、それを全ての商品に広げようとの目算です。
 一切商品在庫を持たないショッピングモールに対し、基本的にメーカーから商品を買い取って販売するアマゾンがどう出るかは分かりませんが、消費者にとって、選択肢が増えることはいいことです。一方独占禁止法上の「拘束条件付取引」や「優越的地位の濫用」の恐れがあるとされる拘束を受けている出店メーカーにとっても、競争が増えることは改善が望まれ良いことです。
 先日大手家電量販店を訪れましたが、その担当者も実店舗の経費の必要のないインターネット店には、値段の点では勝てないと認めており、eコマースのウェートは益々増えることでしょう。
 そんな中で当店のような小さなメーカーはどうするのかと質問を受けるのですが、それは問題ありません。小さなメーカーの商品こそネットでしか手に入らないのですし、商品への信頼はメーカーのネームバリューではなく、商品そのものだからです。ただ、知ってもらうまではなかなかです。まあ、気長にやることでしょう。

se.gif

水論争

 フランスの水論争はやや呆れて愉快です。朝日新聞によると、フランスのミネラルウォーターの会社の「水道水を頻繁に飲まないように」との広告に、「事実と反する宣伝で水道水のイメージを損ねた」と国が告訴したそうです。
 言い分は、水道水には配管から溶けだした鉛や殺菌用の化学物質が混じっている、というのですが、国は、検査には万全を期しており飲料水には高品質、逆にミネラルウォーターは大量のペットボトルが捨てられ、製造や輸送のエネルギー消費で環境を破壊している、と反論し訴訟にまで至っているのです。
 素人目には、これだけのことで告訴までするか、という感じです。ミネラルウォーター会社の宣伝効果を高めるだけと思いますが、フランス人気質なのでしょうか。一方会社の方も痛いところを突かれ、それでなお立法権を握る国を相手にするとは大胆なことです。これもまたフランス人気質でしょうか。

se.gif

耳成山

 新聞には地方版のページがあり、その地方地方で紙面が異なります。ここは当然の事ながら奈良版。去る30日の記事は奈良の景勝地、耳成山でした。
 万葉集に出てくる大和三山はご存じでしょう。香具山、畝傍山そして耳成山(「みみなしやま」と読める人はご存じのはず)、その耳成山の成り立ちについてです。
 火山活動で千数百万年前に誕生、火山活動を終えた後、風化・浸食・陥没・堆積を経て今の端麗な姿となったそうです。その根拠は、山を構成する岩石。溶岩が地上近くで固まる白っぽい火山岩の流紋岩が層を成しているのが観測できるのだそうです。
 
 以前雑誌で一説を読んだことがあります。耳成山は他の二山に比べ見事なまでの円錐形、標高も140m足らず、すぐ横には池があり、これは古人が造った山だとの説です。論説は、地図を広げて大和三山を結んでみると、その形は香具山と耳成山とを結んだ辺を底辺とするまさしく二等辺三角形で、頂点の位置にある畝傍山から底辺への直角二等分線を延長するとちょうどその先に神の山、三輪山がある。これはあきらかに意図して造られたもの、と続きます。
 
 科学的な検証には勝てませんが、雑誌に記された説の方がずっとロマンがあっていいですよね。

se.gif