第三の男

 NHKBSのシネマで久しぶりに「第三の男」を観ました。もう何回目になるか数え切れません。タイトルバックのアントン・カラス弾くチターのサウンドホールと振動する弦、緊縛感を高める傾けた画面、1時間30分の内登場わずか9分というのに第三の男といえばオーソン・ウェルズといわれるその存在感、並木道のロング・ロング・ロング・ラストカット、何度観ても感慨は新たですが、映画の後の撮影秘話でまたまた新たな発見です。
 初めのナレーションが監督キャロル・リードの声であったり、撮影によく遅れてくるオーソン・ウェルズの性で影での逃亡シーンが生まれたとか、1949年当時の光源不足から夜間撮影では石畳に水を打って反射光を利用したとか、下水の格子蓋から出る断末魔のハリー・ライムの指は実は監督の指であったとか、そのシーンは遠くの建物にまでピントが合っているパンフォーカス、光量を確保するためにおそらく発電器を総動員したであろうとか、・・・。
 最近の、コンピューターを利用して現実では見られないシーンを観る映画も楽しいですが、カメラそのものの技術とアイデアで、プロの目でないと気のつかない細部にまでこだわる映画作りには更に奥の深さを感じます。
 名作は何年経とうと薄れることは無いですね。もちろんその背景には原作があります。私はこの映画を観て、グレアム・グリーンに興味を持ちました。

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