先んずれば人を制す

 「先んずれば人を制す」とはよく言ったものです。ウォールストリートジャーナルがGoogleに買収されたYouTubeがどれほどのお金を手に入れたか懐勘定をしています。
 全額株式交換ですので、即現金というわけではありませんが、今をときめくGoogleの株を手に入れたのは、三人の創業者と投資家。今の株価で三人の懐をおおざっぱに計算すると、414億円、391億円、77億円ほど、なんと巨額、二十歳から夏・冬のジャンボ宝くじを毎年当てても一生かかります。
 YouTubeのようなネット上のサイトは大規模な生産設備が要るわけでなく、ひらめきとそれを実現する技術力がすべて、実現ができればせいぜいサーバーを積み増していく程度で済む話です。後から追随したGoogle Video他のいくつかの映像投稿サイトが及ばなかったように、いかに他人より先に将来性を見越したアイデアを思いつくかで、成功の可否が大きく左右されます。もちろんプログラム力も必要で、日進月歩のジャンルですからここにもアイデアとひらめきが求められます。最後のポイントは、世の中にまだ形もなく、将来成功する保障もないアイデアに資金を提供する投資家の存在です。
 先駆者の人まねでなく、果たして日本でこのような成功が実現するでしょうか? 石橋をたたいてなお渡らない日本の投資、コスト優先で中国等に外注するため育たないソフト技術者、サーバーを外国に置かなければならないがんじがらめの法律。ここ当分は指をくわえているとしましょう。

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