気骨

 超高級料亭、船場吉兆がまたたたかれています。今度は客の手のついていない料理の使い回し。高級とは名ばかり、前日の食べ残しが翌日の弁当に入る家庭料理並です。
 名を成したからにはこだわりがあるはずです。例え仕入れた食材でも気に入らねば使わない、鮮度が落ちれば使わない、などでしょうか。私のような素人では計り知れません。高級と名が付かずとも、それぞれの店にはそれなりのこだわりがあります。私共でさえもいささかのこだわりを持って品をつくっています。そのこだわりを捨ててしまっては、もはや何を持ってお客様と接しているのでしょう。
 「前社長の指示で行った」と、板長がテレビの取材に答えています。腕に覚えがあるならば辞める覚悟で「そんなことはできません」と気骨を見せられないのでしょう。もう皆が皆、先代が作り上げた「吉兆」の看板だけで立ち振る舞っているだけに見えます。
 「気骨」という言葉は死語になってしまうのでしょうか。真っ先に政治家の世界で死語にしてしまうのだけは、避けていただきたいと願うのですが。

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