この週末、レンタルDVDで「エンロン」を観ました。ご存じ当時全米第7位の巨大企業です。不正経理を疑ったジャーナリストの書き下ろしをベースに、元社員の話や内部資料を使って、急成長企業が2001年暮れ突然破綻した経緯を語るドキュメンタリーです。
天然ガス、石油、電気のエネルギー分野からIT産業にまで手を伸ばし、売上げ利益優先、そのためには停電までさせたカリフォルニヤ電力危機への関与も劇中にでてきます。経営学のスタッフを多数取り込みデリバティブがメインの収益になり、不採算の買収分野の赤字等は先行利益の計上(こんな事ができるのかよく解りません)手法で隠し、不正経理がささやかれ始めると、経営者達は見かけの急成長で上昇した自社株を売り抜けし、発覚からわずか2ヶ月の破綻で従業員の手に残った株は紙切れとなり、融資先を筆頭に多額の損害をもたらしました。
日本でも規模は違いますが同様の事が起こっています。経営トップのやりたい放題と言う点で広義に考えれば、今問題となっている国交省や社保庁も同様です。こちらはつぶれないし民事罰にされないだけにたちが悪い、オペラをつくるくらいなら、この映画を流してみてはいかがなものでしょう。