今月12日のニュースに、血液製剤によってHIVに感染している夫婦が子供を持つことを望み、精子からHIVを除去した上での体外受精を申請している、というのがありました。不幸にもエイズウィルスに感染すると、自分の生命の危険はおろか、感染を恐れ子供すら持てないというのが私の知識でしたが、今や試薬や遠心分離などで精液からHIVを除去する技術が開発され、これまで生まれた37人の赤ちゃんに感染のケースはないとのこと。今回のケースでは妻も感染しているのですが、ウィルスが弱く子供への感染確率が低いとのことです。
前にも書きましたが、こういうニュースが起こったときだけでなく、医療技術の進歩情報はもっと広く知らしめるべきだと思います。果たして自分の受けている治療は最新なのだろうか、もっと別の選択肢はないのだろうか、患者は不安ですし、ひょっとすれば患者と向き合うお医者さん自身も最新の技術をご存じないかも知れません。
「白い巨塔」にみるように、手腕や技術はそのお医者さんや病院にとって有利な条件ですが、こと医療に関しては情報は大いに公開し、先達は後輩を育ててもらいたいものです。