池の水ぜんぶ抜く

 当店から徒歩で20分足らずの所に、大きな前方後円墳があります。通称「箸墓」、正式には倭迹迹日百襲姫命(やまとととひももそひめのみこと)を葬る陵墓で宮内庁の管轄です。その北側には池(堀の延長でしょう)があり、箸墓の影を写し中央の小島がアクセントとなって、写真家の撮影ポイントの一つとなっています。その池をめぐって、テレビ東京と桜井市との間で「池の水ぜんぶ抜く」古墳ロケ中止(※1)問題が、昨年暮れに発生していました。
 テレビ東京はこちらでは映らず、地方放送の奈良テレビが制作番組の一部を放送はしていますが、私もこの人気番組は観たことがなく、市の関係者も観たことがなかったのでしょう。同意して後、番組のキャッチコピーを見て驚き破談に至ったことを、今年初めの市の広報で知りました。

 箸墓の北西約1kmの巻向遺跡で、大規模な建物跡が見つかり、これは邪馬台国の都に間違いない、そして箸墓は以前から言われているように卑弥呼の墓に違いないと、観光資源として整備計画を進めている桜井市は、テレビ番組で取り上げてもらえば推進に弾みがつくと、番組の真意も観ず安易に了解したのでしょう。
 一方テレビ東京側も、史跡の一部との認識が甘く、法的な制約の事前調査が十分でなかった事が伺えます。
 そのまま放送が実現していたならば、認知効果どころか後々禍根を残す問題となっていたことでしょう。

 番組云々の前に、毎年一回水抜きが行われ、丁度今池は干上がった状態です。「番組を観たかった」と思われるならば、今お越しください。ただ底の泥などすくったりしないでください。問題となりますから。

(※1) https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2017/12/02/kiji/20171201s00041000259000c.html

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